かってディランは「神」と呼ばれてました。
でも、ステージでMCもなく次から次へ歌い続けるディランは心から音楽を愛し、心から音楽を楽しみ、いつまでも音楽の中にいたいと願っている素敵なミュージシャンのひとりでした。
神ではありませんでした。
でも、彼が常人では考えられないくらい音楽への愛情をとんでもなく深く、広く持っていることを感じたライヴでした。
そして、この夜のライヴをいちばん楽しんだのは恐らくディランだったでしょう。
"Rainy Day Woman#12&35"で始まりました。"Everybody Must Get Stoned"とディランが歌うまでもなく私は彼の歌に最初から最後までStoneしてしまいました。1曲、1曲が本当にロックしてました。
後ろの方で聴いていた私にはディランの表情もステージの感じも何も見えませんでしたが、あの音の中にいるだけで充分幸せでした。
終わった後、一緒に行った人に「いいライヴでしたね」と心から言葉が出ました。
こういう音楽を好きでいてよかったと思った夜でもありました。
個人的ないろんな想いが、会場に流れるディランの声とバンドの音の狭間に浮かんでは消えました。
本編の最後"Forever Young"が胸に迫って、迫って、あふれそうになった時にディランはステージからさっといなくなりました。
多すぎず少なすぎず実に見事な匙加減でした。
誰かが超絶な技を見せつけるでもなく、それぞれは自分の役割を誠実に果たし、それがひとつの大きな音の塊になりディランの歌もそこにすっと混じり込んでいました。みんなが普通のことを普通にやりそれが普通ではない素晴らしい音とグルーヴを作っていました。
寒い春の夜、会場の外で待つこと約1時間。そして、すし詰めの会場の中で約2時間スタンディング。腰がつらかったことも忘れないでしょう。
大好きな"Just Like A Woman"が聴けなかったことが心残りです。
Tシャツ、ストラップ、そしてアルバム・ジャケットが包装紙になっている話題のディラン・チロル・チョコと三点購入。チョコを見ながら我がバンドでも何か菓子類を作るか・・・としばし考えました。例えば、コテツ君の顔が描かれている油で揚げた大判せんべい(コテセン)とか。沼澤君のドラムが描かれたどら焼き(ドラムが上手くなるドラドラ焼き)とか。中條君の好きなゴーヤを使ったゴーヤ・チップス(ナカジョニー・チップス)とか。しかし、ディランのチョコは意外だったなぁ。