今年もよろしくお願いします。
正月の七草粥も過ぎていつもの日常に戻っていくが、正月の餅が残っているので今朝も雑煮を食べた。
去年は楽しいこともたくさんあったが、悲しい想い出の方が強く残った。何人かの大切な友人、知人が病に倒れ帰らぬ人となった。もう会えないその人たちを想うたびに重い気持ちが雨雲のように心の底に広がる。普段は日々の忙しさにその重みを忘れてしまっているが、ふとした時に雨雲が心にぽつりと雨を降らせてくる。
今年の参拝は健康だけを祈願した。
昨年、B.B.キングが逝去したことでブルーズは明らかに大きな切れ目を迎えた。40年代や50年代のような燃え盛る時代はとうに過ぎたブルーズだが、B.B.が生きて演奏しているだけでブルーズの大きな柱が揺るぎなく存在していた。そのB.B.が天国にいってしまいその大きな柱を受け継ぐブルーズマンがいなくなった。もちろん、それはブルーズという音楽そのものがなくなってしまうというわけではない。「ブルーズが無くなる時は地球が滅びる時だ」と言ったのはB.B.キングだが、確かに人間の心からブルーズがなくなりはしない。貧富の差も、社会的身分なども関係なく人間は誰でも何がしかブルーズを抱えている。親しい人が亡くなった時に感じる心の雨雲もひとつのブルーズだ。そういうブルーズを私達はいくつも抱えながら生きて年を重ねていく。そして、そのブルーズに押しつぶされないように、私達はブルーズを心から吐き出すことをある時は意識的に、ある時は無意識に行っている。お酒を飲むことも、歌を歌うことも、ダンスを踊ることも、スポーツをすることも、本を読むことも、映画を観ることも、旅をすることもそうなんだと思う。
話を戻すとB.B.が支えていたブルーズの大きな柱を、ブルーズを歌い演奏する人、ブルーズを聴く人、ブルーズを文字で伝える人、ブルーズの音を作る人、ブルーズのお店をやる人・・つまりブルーズを愛する人たちでこれから支えていかなければいけない。ブルーズは大切な音楽的遺産であると同時にブルーズは生きている音楽だ。自分もブルーズを歌い、演奏する人間としてやれることをできるだけたくさんやっていこうと思う。
毎月一回JIROKICHIでブルーズ・ザ・ブッチャーのライヴを続けて7年が過ぎたが、JIROKICHIライヴはこれからも月例で変らず続ける。いつもブルーズをやっている僕たちをフラッと訪ねてきて欲しい。
去年もたくさんツアーに出たが、今年もできる限りいろんな街に行って旅を続ける。
新しいアルバムも作る。
ラジオ番組「BLUES POWER」も昨年からインターネットで全国で聴けるようになった。多くの人たちにブルーズという音楽の素晴らしさを知ってもらえるような番組にしたい。
本を書かないかという依頼もいただいているが、気持ちはあるもののなかなか筆が進まない。
他にも何か新しいことをやってみようと思っている。
今年もどこかで会いましょう!みなさんが健康でより良い1年でありますように。
永井ホトケ隆 2016年