映画”RUMBLE” (The Indians Who Rocked The World)
〜アメリカ音楽に多大な貢献をしてきたネイティヴ・インディアンの音楽そしてビート〜
アメリカの音楽にネイティヴ・インディアンの音楽が及ぼした影響を探ったドキュメント映画。引き込まれるとても深い映画であり、学ぶことの多い映画だった。
タイトル"RUMBLE"は1958年にリリースされたロック・サウンドのパイオニア、リンク・レイの代表曲。その曲が流れレイの出自がネイティヴ・インディアンである話から映画は始まる。
アメリカの音楽界にネイティヴ・インディアン系のミュージシャンがいることは知っていた。この映画にも出てくるジェシ・ディヴィス、ジミ・ヘンドリックスの出自は早くから知られているし、
この映画には出てこないがリタ・クーリッジもインディアンの血を引いていると知っていた。ブルーズのT.ボーン・ウォーカーもそうだ。しかしハウリン・ウルフもインディアンの血が流れていることは今回初めて知った。
最初に出てくるリンク・レイは最初白人だと思っていた。この映画では先の”RUMBLE”という曲にネイティヴ・インディアンの音楽のビートが流れていることを教えてくれる。
そして、一番驚いたのはデルタ・ブルーズの偉人、チャーリー・パットンのブルーズにもネイティヴ・インディアンのリズムのグルーヴがあると解説されたことだ。前々から残されたパットンの写真から彼は黒人の血だけではないとは知っていたが、彼のブルーズにそういうルーツが内包されていたとは驚きだった。
あまり書いてしまうとネタバレになってしまうのでここ辺りで止めておくが、ブルーズやロックだけでなくアメリカのミュージシャンに実に多くのネイティヴ・インディアン系がいることがこの映画でわかる。そして、それは同時にアメリカの音楽がインディアンの音楽のテイストをたくさん含んでいるということだった。また、彼らがアフリカン・アメリカンと同様に言われなきひどい差別を受けてきたことも描かれている。
この映画を観ることでそういう背景を知ることもできるし、また一層ネイティヴ・インディアンの音楽のルーツを楽しみながらブルーズやロックを聴くことができる。
何度かライヴを観たそして話もさせてもらったニューオリンズのマルディグラ・インディァンのトライブ「ゴールデン・イーグルス」のビッグ・チーフ、モンク・ブードローが映画に出てきたのも嬉しかった。
本当にたくさんの知らないことを教えてくれる映画で是非DVD化していただきたい。
リンク・レイ、ジミ・ヘンドリックス、チャーリー・パットン、ミルドレッド・ベイリー、ジェシ・エド・ディヴィス、ランディ・カスティーヨ、スティービー・サラス、ロビー・ロバートソンなど
公式HP:https://rumblethemovie-japan.com