FUJIYAMA MAMA/Annisteen Allen(ReV-OlA CR BAND8)
7月某日、下北沢の中古レコード店のブルーズ・コーナーにてアニスティーン・アレンのコンピ"FUJIYAMA MAMA"を発見!即購入!
この日はホップ・ウィルソン、インペリアルのコンピ、ボ・カーターなどなかなか収穫の多い中古盤探索だった。
さて、タイトル曲の"FUJIYAMA MAMA"はブルーズ・ザ・ブッチャーとシーナ&鮎川君の先頃のライヴでシーナが歌っていた曲。
僕は鮎川君が作ってくれた音源とyou tubeでしか聴いたことがなかったのだが、とうとうアルバムをゲットした。しかも1000円だ。28曲も入っている。まあ、曲数が多ければよいというものでもないが、この28曲がすべて素晴らしい!
40年代半ばからラッキー・ミリンダー楽団の歌手として活躍を始めたアニスティーン・アレンはカテゴリーに分けるとジャンプ・ブルーズ・シンガーということになるのだろうが、R&Bシンガーとしてもジャズ・シンガーとしても通用する深みのあるシンガーだ。ほぼ同時代のダイナ・ワシントンやルース・ブラウン的な匂いもあり、まさに私好み。
アップテンポからスローまでどれも魅力的で、とくにスローの時の少し力が抜けた時の歌声が艶っぽい。
基本的に骨太のシンガーだが、がなるようなところがなくパワフルになっても荒れた声にならないところがいい。
と、まあ大絶賛なわけで買った日から毎日聴いている。
ところでタイトル曲の"FUJIYAMA MAMA"だが、歌詞をちゃんと聴いてみてちょっと驚いた。
「わたしゃ、広島、長崎でやったのと同じ様にあんたを吹き飛ばせるのよ。そうよ、わたしゃフジヤマ・ママ。わたしが爆発したら誰にも止められないからね・・・」と、広島、長崎の原爆投下がベースになっている歌詞だった。
これをオリジナルのアニスティーン・アレンよりヒットさせたのは白人の女性歌手ワンダ・ジャクソン。
僕はよく知らないのですが、このワンダ・ジャクソンはロカビリーの女王という呼び名もあり、かなり有名らしい。そして、上に書いたような歌詞にもかかわらず被爆した日本でもヒットしてシングル盤も発売されてワンダさんは来日もしている。来日時にこの曲を歌ったかどうかは定かではない。当時の日本の歌手によるカヴァーもリリースされたらしい。you tubeでは細野晴臣氏がカヴァーしている映像があった。
私見では戦勝国アメリカでは日本をやっつけたという気持ちもどこかにあってのヒットだと思われる。
作詞した人は「私はめっちゃ強い女なのよ」という意味あいを出すために広島、長崎・・・と言う歌詞を出したのかも知れないし、メロディもグルーヴもいいので・・・う〜ん、でもなぁ、頭の堅い僕にはまったく抵抗がない・・とは言えないかな。
でも、このアニスティーン・アレンのアルバムは見つけたら迷わずゲット!