"JUMPING THE SHUFFLE BLUES/JAMAICAN SOUND SYSTEM CLASSICS 1946-1960"(FANTASTIC VOYAGE FVTD087)
"This Is Reggae Music"(Island Records 9237 9251)
僕はジャマイカの音楽についてあまり詳しくはないのだが、このアルバム"JUMPING THE SHUFFLE BLUES/JAMAICAN SOUND SYSTEM CLASSICS 1946-1960"はスカやロックステディ、そしてレゲエといったジャマイカの音楽の誕生に影響を与えたアメリカのブルーズ、リズム&ブルーズのコンピレーションだ。アルバムの解説にはジャマイカのサウンド・システムの始まりと発展、アメリカ南部のラジオから流れてくる音楽の影響、ジャマイカのレコード会社の始まり、そしてスカの誕生などが書いてあり勉強させてもらった。
僕がこのアルバムを手にしたのはメイン・タイトルが"JUMPING THE SHUFFLE BLUES"だったからだが、下の方に"JAMAICAN SOUND SYSTEM CLASSICS 1946-1960"というのがまた興味をそそった。というのも、ボブ・マーリーやジミー・クリフなどのレゲエが流行り始めた70年代初中期、もちろん僕はブルーズ、リズム&ブルーズをはじめとするブラック・ミュージックにどっぷり浸かっていたのだが、何故かレゲエはすんなり体に入ってきた。まずリズムにまったく違和感がなかったことがいちばんだった。もちろん、歌詞やメロディの素晴らしさもあったし、ソウル・ミュージック的なコーラスの付け方も好きになった理由のひとつだ。
先日もレゲエに超詳しいウッチー(内田直之)と話していたら、ブルーズのシャッフルの裏のビートを極端に強調することからスカのリズムが生まれたことが話題になった。でも、スカのテンポが踊るのに早くて暑いジャマイカではみんなしんどくなって、ゆったりしたレゲエのビートに移っていったというのは面白かった。今度、ウッチーとブルーズとレゲエの関係性をゆっくり話したいと思っている。
余談だが、結局、僕にとってレゲエはボブ・マーリーに尽きる。シンガー・ソングライターとしてもパフォーマーとしても、そしてミュージシャンの姿勢としてもレゲエの中では彼がいちばん。そして、心に残っている1979年の来日コンサート。過去聴いたコンサートのベスト5に入るとんでもなく素晴らしいライヴだった。そして素晴らしい体験だった。
それからいろいろ聴いてみたけれど、レゲエはダンスホール・レゲエになったあたりからはほとんど聴かなくなってしまった(かなり昔だが)。
そう言えば、何年か前に某レコード店のプロモーション・テレビの横にレゲエ・ダンスってキャプションがあったので、いまのレゲエはどんなんだろう・・・と思って見てみたら、ムチムチのお姉ちゃんがセクシーダンスをエロっぽく踊っているだけのことで、流れてくる音楽にも私の思うレゲエなんぞカケラもなくバカにされたみたいですごくむかついた。
この"JUMPING THE SHUFFLE BLUES"はアメリカの1950年代を中心としたブラック・ミュージックのコンピだが、この編集がなかなかに秀逸。ジャンプ・ブルーズからファンキーそしてスウィートR&Bまでジャマイカンはセンスがいい。CD3枚組全85曲。ロウエル・ファルソン、ロスコー・ゴードン、ファッツ・ドミノ、シャリー&リー、ジョニー・エース、スマイリー・ルイス、デイヴ・バーソロミュー、T.ボーン・ウォーカー、B.B.KIng・・・・・・etc。見つけたらゲットのお薦めアルバムです。
それで久しぶりに懐かしいレゲエ・レコード盤を引っ張り出して聴いてみた。1974年リリースのレゲエ・コピレーション"This Is Reggae Music"(アイランド・レコード)。「ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ」がまだ「ザ・ウェイラーズ」の頃で"I Shot The Sheriff"はやっぱり衝撃的だった。ヘプトーンズやメイタルズも好きだったなぁ。素朴な中にスウィートさがあり、でも歌っていることはハード。
秋晴れの午後にブルーズからレゲエへ〜気持ちいい・・・