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2014年4月1日Bob Dylan 来日公演 Zep Diver City

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僕は最近のディランを増々好きになっている。最近、一部で『カエルを押しつぶしたような声』と揶揄されている歌声だが何十年と歌い続ければ歌声は変っていくし、『カエルを押しつぶしたような声』というならそれは信じられないくらい巨大なカエルだろう。僕にとっては暖かみもあるし、切れもある「いい声」だ。とくに低い声は魅力的だ。気持ちが高ぶっていたのか早めだったが会場に向かった。
大崎から乗った電車の前の席に座っていたのは、若き日のディランのようなもじゃもじゃ頭の20代後半くらいのバンドやってそうな男とその横には美しい長い黒髪の女性。ジョーン・バエズのようにきれいだった。「このふたりは絶対ディランに行くな」とテレポートの駅からふたりの後をつけていったらやっぱり会場に着いた。

ハイボールを2杯飲んでちょっといい気分になったところで客電が消えた。
仄暗いステージに現れたディランとメンバーたちは、デヴィッド・リンチの映画のワンシーンのようだ。あの「ブルーヴェルベット」のような。
1曲目が始まった時からとにかく音が、音響がすごくいい。スチュ・キンボールのアコースティック・ギターの音も、ジョージ・リセリのブラシの切れも、ディランの歌の繊細な表現も実に見事に聴こえてくる。
たぶん、会場の大きさもこのくらいまでがいいのだろう。「音楽」をちゃんと聴く広さだ。
音楽の質の違いもあるが先日のドームのストーンズの音はスタンドにいた僕の位置ではあまりいいものではなかった。
まあ、ストーンズはお祭り的な楽しさの方が大きいバンドだから・・・とは思うが、やはり一度もっと小さい会場で、ストーンズの「音楽」を堪能できる会場で聴いてみたい。
曲は60年代の"She Belongs to Me"や大好きな"Tangled Up in Blue","Love Sick"もあったが、比較的新しい、最近の曲が多くとくに"Tempest"からの曲が多かったように思う。ディランの音楽にはフォーク、スピリチュアル、R&R、カントリーからポップまで、早く言えばアメリカ大衆音楽のすべてが入り込んでいるが、前回と同じように全体的にブルーズのテイストを感じさせる重厚なものだった。それにしても"Like A Rolling Stone"や"Just Like A Woman"などよく知られている昔の曲は本編では一切やらなかった。アンコールでやった2曲"All Along the Watchtower""Blowin in the wind"だけだ。本当に「おまけ」な感じだった。
ディランの表情までは会場一階の真ん中あたりにいた僕のところからでは詳細には見えない。衣装はみんな同じではないが、同じようなテイストで作られていて誰ひとり着せられている感がない。クールだ。ステージのムードもすごいいい。やたら派手な照明をするだけが良いというものではないことを見せてくれた。とにかくチャラチャラ感は一切ない。けど威圧感もない。すべてが必要最小限でありながら洒落ていて、ムードは寡黙だ。
途中で休憩をはさみながら2ステージ。2時間と少しのステージでMCは「15分休憩する」と言っただけだった。メンバー紹介もなかった。黙々と曲を続けた。メンバーの演奏は余計なことは一切なく、誰が目立つわけでもなく、長いソロもなく前回より更にバンド感が増していた。そして、ひしひしと押し寄せるグルーヴの波。もう、ジョージ・リセリとトニー・ガーニエ、スチュ・キンボールを中心に作られるグルーヴはあまりにも見事でずっと聴いていたいほどだった。チャーリー・セクストンが時折弾く短いソロやオブリガードも気が利いている。そして、演奏に彩りをくわえるドニー・ヘロンのバンジョーやマンドリンなどの美しい音色。
そして、ディランだ。72才。偉大な人だが、ただ単に音楽が好きで好きで、ライヴが好きで好きでやり続けているひとりのミュージシャンと見える。ほとんど表情も変らないし、取り立ててアクションするわけでもなく、MCもない。でも、ディランは『ほら、楽しいよ。音楽は本当に楽しいよ。ずっとライヴやるのは楽しいよ』と言っているようだった。
時折、"Soon After Midnight"や"Long and Wasted Years"のような胸をしめつけるメロディを、何十年と音楽に捧げられた素晴らしい声で歌われると何故か漠然と自分が生きてこの場所にいることにすごく幸せを感じて落涙しそうになる。
最後、アンコールが終わってステージ前に揃ったメンバーたちは笑うでもなく、肩を組むでもなく、おじぎをするでもなく、客席を見つめひとつも表情を変えないままだった。そして照明が消えた。そのあっ気なさがたまらなかった。
またしてもディランにやられてしまった夜だった。

LIVING WOODS

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関西のギターの名手ふたり、森俊樹と住友俊洋のデュオ「LIVING WOODS」
アコースティック・ギターでオールマン・ブラザーズのカバーをやるその「LIVING WOODS」がいよいよ東京へやってくる!僕もゲストで呼んでもらっている。
1部ではアコギ、そして2部では稲葉政裕くんたちが加わってエレキでオールマン。楽しい夜になりそうです。

2014年3月4.5日2Days
高円寺JIROKICHI(tel:03-3339-2727)
http://jirokichi.net
森俊樹g&vo
住友俊洋g&vo

稲葉政裕g
山崎洋b
岡井大二ds

ゲスト:永井ホトケ隆vo&g

open:18:30 start:19:30
前売り¥3000 当日¥3500

ピアノ・ブルーズの宵

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ピアノ・ブルーズの宵
僕の周りに「ブルーズ・ピアノも弾く」というピアニストはたくさんいるが、「ブルーズ・ピアノだけを弾く」というピアニストはLeeしかいない。しかもブルーズを歌えるピアニストとなると本当にいない。そのLeeとこのバンドではウッドペースを弾く中條くんと僕とのトリオを去年からぼちぼち始めた。
ブルーズではその発生時から、そして戦前のブルーズ、シカゴ・ブルーズ、ニューオリンズ・ブルーズ・ウエストコーストのブルーズとピアノはとても重要な位置を占めてきた。それをリアリティをもって演奏できるのはLeeしかいないと僕は思っている。彼女のパーカッシヴで温かいピアノを中心にピアノが生きるブルーズをやります。いつもは歌わないブルーズも歌ってます。そして、中條くんの包み込むウッドベースのテイストも気持ちいい。
今年初めてのブルーズ・トリオ(バンド名がまだないけど・・募集中)を、初めての店高田馬場「Diglight」でやります!飲みながらとろ〜んとブルーズを聴いてください。
2014年2月7日(金)
高田馬場 Diglight
19:30 open‾20:00 start
チャージ 2500円
Diglight
東京都新宿区高田馬場2ー1ー2田島ビルB1F
tel:03-3209-5700

2014年正月 ごあいさつ

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2014年正月 ごあいさつ
明けましておめでとうございます。
誰もが感じるように日々嬉しいことも憂うことも和むことも悲しむこともたくさんあります。言いたいことも残したいこともたくさんあります。でも、まず健康でいて自分の音楽ができることが第一。それなくして何も始まりません。
去年もたくさんライヴをやりました。ひとつのライヴ、ひとつのツアーをやるにしてもいろんなことがありますが、演奏している時に感じている幸せは何ものにも代え難いものです。
そして、今年も早々にレコーディングを控えていますが、ここ数年ずっとコンスタントにアルバムを残せていることも幸せなことです。
年を重ねているわけですが、バカなのか自分ではほとんど20才くらいの頃と変らない感覚で生きてます。つまり、好きなブルーズ歌って演奏して、お酒飲んで、旅して、旨いもの食べて、素敵な人たちに出会って、素晴らしい景色を見てというような生活を、私のような者が40年以上やり続けられている・・そのことに自分で時々驚きます。まあ、一般的というか、世間的には私はアンダーグラウンドなミュージシャンということなのでしょうが、自分としてはそんな深く地中にもぐっている感もなければ、すごく陽やスポットライトに当たっている感ももちろんなく、自分が精神的にいい状態でいられる生き方をさせてもらっていると思っています。
心に思っていることはいろいろとあるのですが、それは言葉ではなくこれから実現することでみなさんに聴いて、見て、読んでいただきます。
では、今年もよろしくお願いします。
機会があればライヴに足をお運びください。ライヴの場こそ本当の私がいるところです。
みなさんにとってより良い一年でありますように!
永井ホトケ隆

永井ホトケ隆のブルーズ講座 東京編vol.2/代官山「山羊に聞く?」

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好評だった前回に続き、東京で第二回目の「ブルーズ講座」。講座っていうとえらい堅苦しい感じがしますが、まあ、僕も酒飲みながら映像や画像をみなさんと一緒に観ながら、演奏もしてブルーズの話をするというもので夜話くらいに思ってもらえるとええと思います。
で、今回はブルーズに歌われている歌詞について、その中でも最も多い男女の愛についての歌詞を話してみたいと思います。中には詩と呼んだ方がいいくらい美しいものもあります。普通の、あるいは下層の所有しない黒人たちがたったひとつ得られる愛について、どう思っていたのか、そこには愛と人生の本質がとらえられています。
会場の「山羊に聞く?」は食べるものもいろいろとありますので、飲んで食べてゆっくり過ごしてください。
毎回、たったひとりに当たるプレゼントが今回もあります!

2014年1月31日 代官山「山羊に聞く?」
講師:永井ホトケ隆(Talk & vo&g)
共演:上村秀右(Guitar/The Ignotants)
前売¥2000  当日¥2500(1ドリンク1フードのオーダーをお願い致します)
開場18:30  開演19:30
※ご到着順のご入場となります
TEL:03-6809-0584
http://yagiii.com/wp/
東京都渋谷区代官山町20−20モンシェリー代官山 B1F(代官山駅正面口。右斜め前に直進。右側2軒目のビル地下1階)代官山駅から徒歩1分!です。

永井ホトケ隆のブルーズ講座 東京編vol.1

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関西で続けてきた「ブルーズ講座」を東京でやることになりました。
講座と言っても、僕が普段ステージで喋っているブルーズのこと(歌詞、ブルーズマンのこと、裏話、歴史、精神など・・)を、プロジェクターを使い映像や画像を見ていただき、そして一緒に音源も聴き、演奏もしながらブルーズという音楽の素晴らしさと楽しさを伝えるものです。
お酒飲みながら、料理食べながら気楽に参加してください。

長い歳月、ブルーズという音楽に関わってきた者として、もっとブルーズという音楽とみなさんを近づけたいとずっと思っています。
ブルーズは人が生きるすべてのものを含んだ大きな音楽ですが、毎回少しづつブルーズによって僕が教えられたことも話たいと考えてます。

まずは第1回目は、ブルーズって何なのか。ブルーズ・ビギナーの方にもわかりやすく始めたいと思っています。手伝ってくれるのはギタリストの上村秀右くんです。
最後にプレゼントを(たった一名)の方に差し上げます!お楽しみに!

11月22日(金)永井ホトケ隆のブルーズ講座
永井ホトケ隆
上村秀右
会場:代官山『山羊に、聞く?』
Open 18:30 Start 19:30
Charge ¥2,000(前売) ¥2,500(当日)
問い合せ:tel 03-6809-0584 http://yagiii.com

初ものと久しぶりの大阪ライヴ!!4日間!

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40年も音楽やってますが、今回初めて元サウス・トゥ・サウスのくんちょうさんと、なんと!デュオです(9/22高槻Birth Act) そして、翌日から2連チャンでくんちょうさん率いるLow-Lowsと久しぶりの大阪でのバンドライヴ(23大阪池田朝日楼、24ミナミ楽楽堂)、ジュリアンとゴローちゃんとも楽しみです。そして〆の最終日9/25はミナミの「えん」で森君とBlues Paradise。
是非、滅多にないライヴなのでスケジュールを見てお越しください!

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ディランのラジオが始まった!

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昨日4月4日から始まった"Bob Dylan's Theme Time Radio Hour"。ディランが選曲し、ディランがDJして、曲の想い出などをコメントしてくれる。そのDJディランの声を聴いているだけでワクワクするが、その選曲がもうオール・アメリカン・ミュージックという感じで素晴らしく、また勉強にもなる。一回目のテーマは"Weather"(天気)だったが、一曲目はマディ・ウォーターズの"Blow Wind Blow"!もう、それだけでやられた私ですが、以下に記したようなラインアップをディランのコメントを聴きながら過ごす贅沢な1時間だ。
聞き逃した人は来週から是非。日曜日に再放送もあります。次回のテーマは"Mother"お母さんに関するどんな曲が出てくるか楽しみです。
http://www.interfm.co.jp 東京76.1MHz 横浜76.5MHz
木曜日20:00 ~ 21:15 再放送は日曜日22:00 ~ 23:15

Bob Dylan’s Theme Time Radio Hour   #1: Weather

Blow Wind Blow  /  Muddy Waters           
You Are My Sunshine  / Jimmie Davis      
California Sun  / Joe Jones       
I Don’t Care If The Sun Don’t Shine  /  Dean Martin           
Just Walking In The Rain  /  The Prisonaires                       
After The Clouds Roll Away  /  The Consolers       
The Wind Cries Mary  /  Jimi Hendrix  
Come Rain Or Come Shine  /  Judy Garland            
It’s Raining  /  Irma Thomas         
Didn’t It Rain  /  Sister Rosetta Tharpe     
Rainin’ In My Heart  /  Slim Harpo            
Jamaican Hurricane  /  Lord Beginner      
Let The Four Winds Blow  /  Fats Domino             
Stormy Weather  /  The Spaniels 
Place In The Sun (Italian)  /  Stevie Wonder          
Summer Wind  /  Frank Sinatra   
Uncloudy Day  /  Staple Singers             
Keep On The Sunny Side  / The Carter Family      

2012年 謝辞

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今年も自分にとっていちばん大切なライヴそしてツアーを無事やり終えることができました。来ていただいたお客さんと、各ライヴハウス、コンサートのスタッフのみなさんに感謝するばかりです。いつもありがとうございます。新しい人たちとの楽しい出会いもたくさんありましたが、悲しいことに友人、知人が何人も亡くなった年でもありました。

そして、被災地の東北にも何度かライヴに行きました。いまだ仮設住宅に住む人たちや、なかなか復興しない街に耐えながらこの年の瀬を迎えている人たちのことを思うと、なにがクリスマスだ、正月だという気もします。節電ひとつにしても東北以外の人たちの気持ちからは大震災はどんどん風化しているように思えます。以前も言いましたが、是非、機会があれば東北を旅して、その街の様子を見てそこに泊まり、酒を飲み、美味しいものを食べて、そしてその街の人たちと話をしてもらいたい思います。

今年は10月に沼澤くんの師であり、偉大なドラマー、ジェームズ・ギャドソンとライヴが出来ただけでなく、そのライヴをアルバムに記録できたことがとても嬉しいことでした。そのアルバム"THE SURE SHOT"は来年2月6日のリリースです。リリースに伴いまた2月から怒濤のツアーを行います。よろしくお願いします。
そして、ブルーズ・ザ・ブッチャーとしてはもう5年ほどホームグラウンド、JIROKICHIでのライヴを毎月欠かさずやってきた。それも自分たちにとって大切な軌跡になっていると思います。まだ、歌いたいブルーズが山ほどあるので身体のメンテをしながら歌い続けたいと思ってます。近藤房之助によると(どこで調べたのかわかりませんが)、私は来年とてもいい年、当たり年だそうです。ただ、それが人生で最後の当たり年だそうです。房之助に「ほーさん、来年は頼むぞ!」と言われましたが、いったい来年何があるのでしょうか。私としては普通にライヴが出来て、ブルーズを歌えればそれでいいのですが・・・でも、楽しみにしています。では、みなさん、よいお年をお迎えください。また、どこかで会いましょう。そして、ブルーズで、Let's The Good Times Roll !!!