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永井”ホトケ”隆/tbt(tRICK bAG tRIBE) No.06
 

”カオス”森園そして大西”熊”と紹介してきたプロフィールですが今回は人類の
理解を遥かに超えた、譜面のない人生を休符のなしに送るキーボードのコジコジく
んこと小島良喜です。

小島良喜/1957/11/22生まれ/兵庫県出身
犬好きの人はたくさんいますが、我々の周りで犬の気持ちがわかるのは彼ぐらいで
す。以前ツアーの車中で「犬の気持ちがわかる本」というのを読んでいたコジコジ
君。私は「コジの気持ちがわかる本」が欲しいと時々思います。と言うのも時折、
Eメールを 送ってくれる彼ですが、添付されてくる写真はすごく大きいのに本文は
「ワ〜〜〜〜ン。」ぐらいしか書いてありません。しかも、添付の写真が何を意味
しているのか不明な代物で、きっと奥深い意図があるものだと数日考えるのですが
、結局意味はなかったりするのです。さて、現在「4Hands」というデュオを「千手
観音ピアニスト」佐山雅弘とやっているコジ君ですが、テクに自信の千手観音にと
って目の上のたんこぶ的存在がこの犬、いやこの小島良喜。技の応酬、速さの競演
かと思いきや、噛み合いばかりでなく互いにサポートしあう美しい瞬間もあるが、
油断大敵、一寸先は闇、最後には猪木と馬場、ハブとマングース、土石流と火砕流
の如き激しい攻防、最終的にがちんこ、クラッシュと相成るのですが・・・どちら
が勝ったのか負けたのかは「犬と猪」にしか分りません。昨年、佐山観音にコジく
んのピアノの音の感じが変わったように思うと言ったところ、「気づいたか?アイ
ツなぁ、手の指が前より広がっとるぞ」と教えてくれました。ふーん、コジコジっ
て進化してるんや。小島良喜を「KUWATA BAND」などのメジャー・シーンで最初に知
った方も多いと思います。また、プロデューサー、アレンジャ−としてCDのクレジ
ットで見た方もいるでしょう。しかし、ソロイストとしての彼の素晴らしさが知ら
れるようになったのは比較的新しいことのように思います。TrickBag では放し飼い
状態なので、野原河原雪原を駆け巡る犬のようにしっぽを振って、あっちへこっち
へ走り回り、時折匂いを嗅いでいる時もあるが、また激しく駆け回るピアノ・プレ
イが見られます。95年にニューオリンズを訪れたときのこと。ホトケ、山岸たちと
ティモシア(小島曰く、ホトケとポンタと足した顔)という「熟女シンガー」の歌
うクラブに出かけました。当然のようにセッションとなり、まずいつも最前線に突
入していく山岸がそのバンドに入り、続いてホトケが援護射撃を打ち歌い、キーボ
ードの吉弘千鶴子が従軍看護婦として 参戦、そして最後に新兵の小島がバンドの白
人ピアニスト「W」と交代。小島が弾き始めた時、Wはビールを飲みカウンターにい
たガールフレンドの肩に手をまわし、笑いながら女の耳元で何やら囁き余裕の表情
。しばらくするとWはコジ君の演奏が気になり、時折ホトケの方を見て「お前のダチ
もなかなか弾くじゃないか」てな仕種をしてました。だんだんと環境に慣れてきた
小島犬は大好きなピアノに触れて嬉しかったのでしょう、グイグイ弾き出しました
。Wを見るとビールをカウンターに置き、小島に目がクギ。小島犬は鍵盤以外もう何
も目に入りません。ソウルフードも大好物で絶好調、ワンワンと鳴くこともなく、
鍵盤の上をコジ君の指が走り回っています。Wはガールフレンドに回していた手を下
ろし、彼女の顔を見ずに話も聞いていない。小島犬はいつもの笑いながら弾くモー
ドに。♪グイグイ♪♪グリグリ、ゴロゴロ♀♪♪カンカン♂〒キンキン♯☆コンコ
ン〒?コテコテ♭グルングルン♪☆∞∞ と小島犬のテンションは急上昇!その頃
には白黒黄、店のみんなの腰が動いておりました。しかし、たったひとり動かなく
なった・・フリ−ズしてしまったのが顔面蒼白のWでした。最後ゴンゴンになって爆
弾を破裂させた小島犬はハァハァと笑いながらステージを下り、W と握手をしまし
たが、W の顔には「まずい、こいつに仕事取られるかもしれんわ」と描いてありま
した。そんなことは「知らん知らん」のコジ君は席に戻り「ああ、おもろかった」
と御褒美のビールをごくごくごくと旨そうに飲んだのでした。念のために言うと、
W はプロとしてしっかりしたプレイをするプレイヤーで決して下手なピアニストで
はありません。この後コジ君はニューオリンズと日本を行き来し始めるのですが、
ティモシアからお誘いがあったのを初めとして、ニューオリンズで次々に仕事が入
ってきたのは当然であります。日本人の大半はピアノという楽器を美しいメロディ
を奏でるものとしか見ていない、聞いていないように思うのですが、ピアノは打楽
器です。手で指で叩くものです。それを優しく叩くと奏でるという表現になるので
すが、ピアノの音階のあるパーカッションとしての役割に気づかない人が多く、リ
ズムが良くなくてもゴージャスにたくさんの音を弾くと上手いと言われ、メロディ
や和音にはうるさいのですがリズムの善し悪しに気づく人は少ないのです。ブルー
ズならオーティス・スパンが弾く「Mojo Workin'」のイントロ2小節でリズムの大
切さを確認できるし、プロフェッサー・ロングヘア−は全編打楽器と言ってもいい
ほどパーカッシヴ。小島良喜は日本では希有なパーカッシヴなピアノ・プレイヤー
であり、リズムを目覚めさせグルーヴを作るキーボード奏者です。彼にソロをまわ
すと最初の一音からバクっと食いついて来ますか゛、あんなに最初からグルーヴす
る食いつきのよいピアニストはいません。あれはフリスビーを投げるとすぐに走り
出し、ジャンプしてパクっとくわえる犬に似てますが。小島良喜を「KUWATA BAND」
などのメジャー・シーンで最初に知った方、また、プロデューサー、アレンジャ−
としてCDのクレジットで見た方もたくさんいるでしょう。17才からプロの彼が関
わってきたレコーディングそしてライヴは井上陽水、山下達朗、玉置浩二、大黒摩
季、Char・・と、その筋の方々にも高く評価されている。しかし、ソロイストとし
ての彼の素晴らしさが知られるようになったのは比較的新しいことだ。TrickBag で
は放し飼い状態なので、野原河原雪原を駆け巡る犬のように喜々として奔放なプレ
イが見られます。コジ君の経歴やデータを今回詳しく書かなかったのは、彼の熱心
なファンの方が作られているホーム・ページ(http://www.pp.iij4u.or.jp/ ̄sky/)が
あり、かなり詳細に記載されているので一度そちらを見ていただきたい。(パソコ
ンのない方は持っている人に印刷してもらって)。コジ君はこの先どこへ行くのか
・・アウトな音で疾走し、失踪するコジ君に「ハウス!」の声は聞こえない!名犬
か迷犬か明犬か鳴犬か謎犬・・コジコジ。
「おもろいコジくん」
1.数年前、大阪でライヴ中。コジくんは笑顔で快調にソロを弾いていた。そろそろ
終わりかなと歌う体制に入ったホトケがコジ君を見ると笑いながら口をぱくぱくさ
せていた。それを見たホトケはギターの山岸に「おい!ジュン見て、コジがめちゃ
ノッてるわ。もうワンコーラスやな。」ソロがもうワンコ−ラス。コジコジは喜ん
だのか?まだ笑いながら口をぱくぱく。山岸とホトケは「めちゃノってるやんコジ
、ここはもうひとつやな!」と、三たびソロとなった。そんな調子で何コーラス弾
いたか・・・最後の曲が終わりステージから下りると、コジ君手をブラブラ振りな
がら「手がつった。手がつったって言うてたんや。」その時も笑ってた。またアン
コールでソロ弾いてた。笑ってた。
2.その昔、超天然と言われ、大鵬にいや古手川祐子に似ていると論争を呼んだピア
ニスト国府輝幸。最強のコンビ、国府/小島のKK・コンビが2人でピアノ教室をして
いた。最初はKK の実体を知らない生徒がかなりの数集った。国府輝幸は兵庫県の「
帝塚山」を「手塚山」と誰かが間違えて書いたのを見て「間違ごてるやん、一本足
らんわ」と言って「手」の横に一本書き加えた?グレートなやつ。国府犬-鑑定書な
し、飼い主不明、大メシ食い、運動不足で太り気味、俊敏さはないが、ニューオリ
ンズ・ピアノを日本で最初に弾いたのは国府犬。2匹がワンワンキャンキャン・・ピ
アノ教室。なぜか徐々に生徒が減っていった。何故?それでもかまわずウォ〜ン。
小島曰く「ふたりで弾いてることがおもろかって、ああやこうや言いながら、生徒
に何にも教えんとふたりでずっ−と弾いてたんや・・・」むーん、ピアノ狂室。
3.小島の才能に早くから気づいたギターの塩次コアラ伸二の話。伸ちゃんのマンシ
ョンに居候していたコジくんが当時ジャズにハマった伸ちゃんに「小島、お前ビル
・エバンス知ってるか?」と聞かれた。「えっ?ビル・エバンス知らんのか?ビル
・エバンス聞かなあかんで・・」と伸チャン。言われたコジくんは「ビル・エバン
スビル・エバンスビル・エバンス・・・」とレコード店へ、そしてジャズのコーナ
ーで「ビル・エバンスビル・エバンスビル・エバンス・・」探したがない。ない。
ない。仕方ないので伸ちゃんに電話−「伸ちゃん、ビル・エバンス一枚もあらへん
で・・」塩次「ええっ?ないわけないやろ。いっぱい出てるでアルバム・・よう探
してみいや」。「うん、わかった。ビル・エバンスビル?エバンス?」コジコジく
んはビル・エバンスを黒人だと勝手に思い込みずっと黒人のジャケットだけを見て
探していた。
次回のTrickBagTribeは宇宙の果てからきたDr.鶴谷智生の巻
「TrickBagTribe/live love live」
なかなか関西方面のライヴがないTBですが、6/5に大阪アメ村「ビッグ・キャット」
(元コーク・ステップホール)にて、吾妻光良とSwinging Boppers とよのすけとホ
ームラン・ブラザーズの3バンドでライヴあります。5月は関東では千葉、船橋「月
」にて5/21(金)のみです。
Trick Bag >>>Vo.永井ホトケ隆 G&Vo森園勝敏 Key&Cho小島良喜 B&Cho大西真 
 Dr&Cho鶴谷智生




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