最初に訂正とお詫び:前回のスケジュールで7/24船橋「月」と記載しましたが、
7/30の間違いでした。申し訳有りません。今回は自分がやっている最近のライヴと
ライヴハウスについての紹介。
Living Sound
1.With Yancy:最近デュオではじめているヤンシー/Yancyとは今度7/10(木)に横
浜ストーミー・マンデーでやるが、ヤンシーとはもう10年近く前になるのか・・自
由が丘の「マルディグラ」でギーボードの吉弘千鶴子さんが若くてニューオリンズ
・タイプのピアノ弾いている子がいるよと教えてくれて観に行ったのが最初だ。そ
の後ニューオリンズのヘリテイジ・コンサートの会場で偶然会い、それからだいぶ
経ってヤンシーがブルーズハープのコテツと「コテツ&ヤンシー」を組みアルバム
も出したというので聴いてみたら面白かったので、DJをしていた「大阪ブルーズ・
スピリッツ」でもかけさせてもらった。いまヤンシーとのデュオではなるべく日本
語のオリジナルをやろうと思っているし、新しい曲も作ろうと思っている。また、
僕はトム・ウェイツの"Ol'55"などちょっと毛色の変ったものも歌っている。そして
ヤンシーが亡き西岡恭三さんの「プカプカ」などを歌ってくれるのも嬉しい。ちな
みにYancyという芸名は30年代から50年代にかけて活躍したブルーズピアニストの
Jimmy Yanceyからとったものだが、ヤンシーの方はわざとeを取ってYancy。Jimmy
Yanceyのプレイを聴きたい方は "Yancey Special"(Atlantic)あたりをお薦めする。
2.New Blues Powerは先月2日連チャンでやったけど、来てくださった方々は若いブ
ルーズ、R&B派のミュージシャンの台頭をしっかり体験してくれたはず。次回は4回
目 8/31にJirokichiで。20才過ぎのヴォーカルの千賀有花を呼んでいる。名古屋出
身の彼女は名古屋のライヴハウス「TOKUZO/得三」で働いている間にしっかりと好き
なR&B SOULの種を植え込んできていてこれから楽しみな女性シンガー。リズム隊は
若い上村、米元、金田の3人だが前回は随分評判が良かった。米元、金田のふたりは
「スパイダー・ウォーク・ブルーズバンド」のメンバーで久しぶりに会ったしっか
りしたリズム隊。上村は最近僕とデュオでもやっているが、アル中か?と思われた
ほどドロドロにいつも酔っぱらっていたのに最近きっぱり酒を止めた。「演奏終わ
った時くらいちょっと飲んだら・・」と勧めるが一滴も飲まない。優しい性格だけ
どギター・プレイは最近シャープになってきた。3人とも真面目で渡したじっくり音
楽に接しているので音源、資料などもしっかり聴いてきてくれてリハーサルもスム
ーズに運んだ。でも、みんな真面目だけど本番で僕に遠慮しないところがいい。
3.With 藤倉嗣久/去年に引き続き今年も藤倉と夏のツアーに出る。下のスケジュー
ルを確認して、去年観た方は成長した藤倉の姿を、初めて観る人はこの10代の素晴
らしいギター・プレイヤーを堪能してもらいたい。伊勢と一宮はふたりだけのデユ
オ・プレイだけど、他のライヴハウスでは若いブルーズ系のプレイヤーを募って僕
たちとのセッションも用意している。僕のウエストロード・ブルーズバンドがデビ
ューして30年が過ぎた。New Blues Powerというのはウエストロードの1stアルバム
「BLues Power」からそろそろほんとに新しい人達の登場を願ってNewをつけた。や
はりシーンの活性化には若い人達のパワーが不可欠と痛感するこの頃、彼等をプロ
デュースすることだけで終わってはいない。自分自身が彼等にステージで鼓舞され
ることも度々あるのだ。各地にいる才能とパワーのあるブルーズ系の若い人達を御
存知の方は後記のメール・アドレスに連絡して欲しい。アメリカでは今年は「ブル
ーズ年」と政府が決定したそうだが、お上に決定されなくてもこの偉大な音楽ブル
ーズは激しい音楽の変遷の中でずっと生きてきたのだ。日本でも本気でブルーズを
やろうとする人達が再び現われている。彼等によるアメリカにも届く深くて、広い
シーンの到来を僕は期待している。
4.久しぶりに8/5ブルーズアレイで“WE LOVE JB”をやるのだけど、これはすべてジ
ェイムズ・ブラウンの曲を歌うショーで激しい、早い曲が多い。現在やっているラ
イヴで最も体力の要るもの・・なのに・・8/5はもう真夏やなぁ・・暑いやろなぁ。
でも、ビッグホーンズ・ビーのホーンセクション気持ちええしなぁ・・マントも作
ったしなぁ・・・そろそろ新しいの作るか・・でも暑いな。シャウトの連続やから
なぁ倒れるかも知れん。これからは冬にしょかな。
ここ2.3年、ライヴハウスのスケジュール調整がメチャ早くなってきて、もう11月や
12月のスケジュールを押さえる時期になっている。いまの時期だと以前は早くても
9月ぐらいのスケジュールだったのに、こう早くては以前僕が組んでいた異種格闘ラ
イヴのようなジャンルの違う人達を集めたセッションは難しくなる。そういうセッ
ションは各ミュージシャンのスケジュール調整をするのに時間がかかるのに、みん
なが早くスケジュールを取るのでライヴハウスに残っている日が少なすぎて調整が
できないからだ。思いもかけないようなセッションが突然観れるのもライヴハウス
の魅力だったんだけどなぁ。
ライヴハウスらしいライヴハウスはほんとに少なくなった。ホールのようなライヴ
ハウスのような・・みたいなところが増えてスケジュールを作る店側も、出るミュ
ージシャンもシステム化してきている。
で、今回は僕が出ているお気に入りライヴハウスの中の3店を今回は紹介しょう。
Live House
Stromy Monday:松川バンドやハード・ドライヴィングのゲストで何度か出演してい
るが、明日10日初めて自分名義でライヴをやるのが横浜関内駅から5分のストーミー
・マンデー。名前からしてコテコテのブルーズ親父がマスターかな・・と思って行
くと、カウンターの中にいるのはフワフワのママ。ママと呼ぶにはまだ若い(と思
うが)Ladyでカズキさんと言う。ブルーズのクラブよりケーキ屋さんなんかにいそ
うな女性だ。しかも店は関内のバック・ストリートで、となりのビルはラブホだ。
以前キーボードの石井為人君を店の前で写真に撮ったら後ろにそのラブホが写って
いて、為ちゃんはラブホのオーナーに見えた。そんなことはどうでもいいが、ムー
ドのあるいい店です。明日はヤンシーとデュオ。始まるのは8時半くらいだし、のん
びりブルーズとオリジナル聴きたい方は是非。近くに立ち飲みのヒップな酒屋があ
り、演奏前の一杯にいい。
Blue Moods:水戸のブルー・ムーズはいつも盛り上がる。前も言ったがほんとにお客
さんがいい。ヤンシーをはじめて連れて行ったら彼はすごく気に入ってくれて、も
う2回やった。上村や中野といった若いギタリストはいいソロを弾くと自然と拍手し
てくれるお客さんに感激していた。生ピアノがあるのも嬉しい。いつも食事を出し
てくれるママはほんとに料理がうまい!車を運転するヤンシーのことを忘れ終わっ
てからついつい店で飲んでしまう私です。お客さんがオヤジ、オバサンから10代ま
で混じっているところもいい。この前はおばあさんがいた。また、店の近辺に歓楽
街があり夜早い時間にクラブのホステスさんが足早に歩いている風景など僕は好き
だ。水戸と言えば納豆、水戸黄門、そしてブルームーズだ。
HAL:西武新宿沿線の久米川にあるHALは松本照夫が在籍している「ブルースファイル
」の本拠地。スタジオを兼ねた面白い作りの店だ。オーナーの田沢さんは設計施工
、舞台美術、音響、イベント企画と多方面に仕事をしている人でイケメンの青年実
業家というのは・・・嘘。一見怪し気なムードの中年実業家だが、とてもいい人だ
。 以前、塩次伸二のセッションで行ったときはなんかやたら盛り上がった。久米
川駅のすぐそばだが店のまわりに水っぽいムードが漂っているのがGood!!なんで店
の名前がHALなのかなぁ・・・キューブリック監督の「2001年宇宙への旅」に出てく
るコンピューターが確かそんな名前だったなぁと思っていたが、店にデジタルなム
ードはない。そして、最近気づいたが田沢さんの名前は光春。たぶんその「春」か
ら「HAL」だろう・・ちゃうか?
ホトケのスケジュール:
7/10(木)横浜/ストーミーマンデー/Withヤンシー
7/19(土) 高円寺/Jirokichi 森園勝敏 大西真 松本照夫 石井為人
7/26(土)目黒/ブルーズアレイ LEO、塩次伸二、小島良喜、大西真、小野秀夫、
LEO、
7/27(日)水戸/ブルームーズ With上村秀右
7/30(水)船橋「月」With上村秀右、中野靖之
7/31(木)久米川/HAL /Withヤンシー
8/5(火)目黒ブルーズアレイ“WE LOVE JB”青木智仁、鶴谷智生、佐山雅弘、稲葉雅
裕、フラッシュ金子+ビッグホーンズビー
NEW BLUES POWER TOUR(8/7-8/12 )
8/7(木) 京都/拾得/075-841-1691 ホトケ&藤倉嗣久、堀尾哲ニdr 南角光児b ゲ
スト:塩次伸二g
8/8(金)和歌山/オールドタイム/0734-28-1950:ホトケ&藤倉嗣久 共演ダブル・
ハッツ
8/9(土)三重伊勢/コーヒー&ミュージックス松村/0596-23-0510 ホトケ&藤倉嗣
久
8/10(日)大阪/ハウリンバー/06-4808-2212:ホトケ&藤倉嗣久 共演Boogie
House 他
8/11(月)名古屋/得三/052-733-3709:ホトケ&藤倉嗣久 木下和彦、小川翔、坂井
カバ男、ストーミー万太郎
8/12(火)一宮/ソニック・ブルー/0586-72-3322 ホトケ&藤倉嗣久
8/21(木)小手指/サウンドストーン/ホトケ&塩次伸二 他
8/26(火)荻窪/ルースター/ホトケ&ヤンシー・デュオ
8/30(土)水戸/ブルームーズ
8/31(日)Jirokichi/NEW BLUES POWER Vol.4 /永井”ホトケ”隆 Vo&G 千賀有花
Vo
上村秀右 G 金田洋一 B 米元美彦 Dr
問い合せ:ストーミーマンデー 目黒ブルーズアレイ HAL 042−390−
2108
拾得075-841-1691 オールドタイム073-428-1950 ハウリンバー06-4808-2212
得三052-733-3709 ソニック・ブルー 0586-72-3322
サウンドストーン
来日ミュージシャン:1.前号のtbtで少し紹介したもうすぐ初来日する(東京は芝
ABCホール会館で7/14)スティール・ギターでゴスペルをやる「キャンベル・ブラザ
ーズ」だが、僕も彼等についてほとんど知識がなかったのだが、アーフリー・レコ
ードから出ている彼等のアルバム"Pass Me Not"を聴いてみたら、ちょっと今まで聴
いたことのない不思議なゴスペル・サウンドに包まれた。 スティール・ギターの音
が人間の声のように聞こえ、高音部で伸ばす音は人が叫んでいるようだ。知名度は
ない彼等だがSacred Steel/聖なるスティールと呼ばれるその素晴らしいサウンドは
滅多に聴けないだけに是非体験してほしい。問い合せは「チョコレート・クリーム
/03-3487-4176」
2.マリア・マルダー:8月にやってくるマリア・マルダーが有名になったのは73年の
初ソロ・アルバム”マリア・マルダー”に収録されていた”真夜中のオアシス”が
大ヒットしたからだった。小さい頃からカントリーが好きで、10代の頃にはR&Rや
R&Bに夢中になった彼女の最初のプロとしてのキャリアは60年代にジョン・セバスチ
ャン(後にラヴィング・スプーンフルを結成。ソロで映画ウッド・ストックにも登
場する)等がいた”イーヴン・ダズン・ジャグバンド”のメンバーとしてだ。その
後”ジム・クウェスキン・ジャグバンド”のメンバーとなり、バンドのVo.Gだった
ジェフ・マルダーと恋愛し結婚することになった。68年にバンドが解散した後、夫
婦で"Pottery Pie""Sweet Poteto"の2枚のアルバムを出した70年代初期に僕はこの
ふたりの音楽をはじめて聴いた。その後ジェフは僕が愛するポール・バターフィー
ルド・ベター・ディズに参加し、2枚の素晴らしいアルバム"Better Days""It All
Comes Back"ではマリアもコーラスなどで参加している。しかし、その後ふたりは離
婚し、マリアは前述の初ソロを発表し”真夜中のオアシス”の大ヒットとなる。こ
の秀逸なアルバムはライ・クーダー、エイモス・ギャレット、ドクター・ジョン、
ジム・ケルトナーなどのブルーズ、R&B好きの優れた白人ミュージシャンによってバ
ックを支えられ、70年代のロック、フォークだけでなくポップシーンを代表する1枚
なので機会があれば是非聴いてもらいたい。その次の"Waitress In A Donut
Shop"もとてもいいアルバムです。現在60才やや太めになったとは言えお美しい彼女
だが、この頃はまさにマリア様と呼びたくなる美しさでありました。その後も彼女
はアルバムを出していたが、僕が熱心に追い掛けなかったこともあり名前を聞かな
くなったと思っていたら90年代に入り、僕も夢中になり始めていたニューオリンズ
の音楽シーンに復活マリアが登場。92年のアルバム”ルイジアナ・ラヴ・コール”
はゆったりとしたバックのグルーヴと彼女が蓄積してきたカントリー、ブルーズ、
フォークなどのテイストがうまくミックスされた必聴の1枚。その後はニューオリン
ズから"Meet Me At Midnite""Jazzabelle"など古いジャズ、ブルーズ色の濃いアル
バムを出し続けている。最新作は今年リリースしたジャズ・シンガー、ぺギー・リ
ーに捧げた”A Woman Alone with the Blues:...Remembering Peggy Lee"だが僕は
まだ聴いていない。ところで8/2、8/3が東京ブルーノートでのライヴなのだがブル
ーノートのHPを見ると彼女の紹介の欄に「ソロ歌手としてメジャー・シーンに乗り
出すのは'73年、離婚後に制作したアルバム『オールド・タイム・レディ』・・」と
あるが彼女のアルバムに『オールド・タイム・レディ』なんていうのはない!しか
もそのないアルバムに”真夜中のオアシス”が挿入されていると書いてある。高い
料金を取り、ライヴハウスのハイ・クラスを気取っている店がこういう誤った情報
をHPに載せたらあかんやろ。元々はニューヨークの老舗ジャズ・クラブやろ。情け
ない。でもこのチャンスに円熟した艶っぽいマリアの歌を聴きにいこう。
3.JB:少し先になるが10月に我が敬愛するJBことジェイムズ・ブラウンが来日するら
しい。先月ニューオリンズにいる山岸潤史が在籍するPaPa Grows FunkでJBの前座に
出た!楽屋まで入れてもらった山岸はその時の様子を興奮して電話してきたが、「
JBはどないやった?」と尋ねたところ「バリバリや!」とのこと。でも、何がバリ
バリなんか・・?日本語をあんまり喋ってないせいか奴はボキャブラリーが以前に
もまして少なくなっている気がする。でも、とにかくJBは元気やそうだ。JB-バイア
グラ常用説も飛び交う昨今だがJBが若い時のビデオを見るとJBは「人間バイアグラ
」だ。それも濃縮の。それに比べると僕なんぞ「人間オロナミンC」いや「果汁10%
のジュース」か・・。
では鬱陶しい梅雨が続く中お元気で。話題はなんでもええからメールばんばん送信
してくれ!送信してくれないとたまにアドレスが失われるという理由もあるんやけ
どね。では。 |