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DIARY 2009/4月 ノスタルジーな一日

母とふたりで亡き父の墓参りに松阪へ行った。1年くらい行ってなかったのでずっと気になっていた。「死んでから墓参りに来るくらいなら生きてるうちに会いに来い」と父に言われそうだ。私が生まれて初めて聴いた洋楽は父がレコードでよく聴いていたナット・キング・コールとプラターズだった。いま思えばブルーズじゃないけどキング・コールもプラターズも黒人だ。でも、父は三味線もちょっと弾き、松尾和子や由紀さおりが好きでもあった。色っぽい系が好きだったみたいでそこは私に受け継がれている。そんなことを想い出しながら墓の掃除をした。
一方今年、米寿になる母は長く歩けないことを除けば体も頭もとても元気で最近は電動自転車に乗って買い物に行っている。食事もちゃんと作っている。久しぶりに食べた野菜の煮物は絶品だった。
松阪駅ですぐ伊勢に帰るという母を見送ってからひとり松阪の街を散策した。

松阪城/生まれてから小学校5年の一学期まで私は松阪で暮らした。この街でいちばん有名なのは松阪牛だが、松阪城もなかなか美しい場所なので松阪へ行かれたら訪ねてみてください。この日は藤棚が紫色に埋め尽くされていた。

いちばん好きなところ/天守閣跡に上ると小学生たちが元気よく走り回っていた。遠足らしい。子供の頃、松阪城でよく遊んでいた私はこの天守閣跡がいちばん好きだった。でも、その頃はここが天守閣跡だなんて知りもせずアイスキャンディを食べながら友達とふざけ合っていた。

遠くに見えるは・・/松阪城からは松阪の街が一望できる。さほど高い建物もたくさんなくて子供の頃とあまり変わっていないように見えるが、どこが何やらもう記憶が蘇って来ない。確か遠くに見える山は堀坂山(ほっさかさん)だと思うが・・。

夏の日のプール/松阪城のすぐ横に市民プールがあったはずだと思い、城の裏手の急な坂を下ると昔のとおりにグラウンドが見えた。しかし、このグラウンドの横にあったはずのプールはもうなくていまは駐車場になっていた。夏休みに毎日のように通ったプールだった。
空も風も気持ちよくて、しばらくグラウンドに寝そべっていると子供の頃からそんなに時間が経ってない気がしてきた。

ノスタルジー・モード/ノスタルジー・モードに入ってしまった私は、さほど遠くなかったと思いグラウンドから通っていた小学校に向かって歩いた。すると何故か学校の正面ではなくて裏の校庭の方に出てしまった。低学年の頃左の方に見えるジャングルジムのてっぺんまで怖くて登れなかったことを想い出した。5年生の夏休みにこの校庭であった盆踊りの翌日か翌々日に私の一家は名古屋に引っ越した。浴衣を着て盆踊りに現れた同級生の好きだった女の子が普段とまるで違ってきれいに見えた。そんなことを想い出してこの校庭を写真に撮っていたら変なおっさんと思われたのか、ジャージ姿の先生らしき人が近づいてきたのでそそくさとこの場を離れた。

幸小学校/そう、私が通っていたのは幸(さいわい)小学校だ。「伊勢の海から吹いてくる緑の風もそよそよと・・・・」いまでも校歌を歌える。中学も高校も大学も校歌は忘れてしまったのにこの幸小学校だけは覚えている。2002年で50周年ということは今年で57周年か・・・・。この写真を撮ったのは記念日の10/24が私の誕生日だったからだ。

もっと広かったような/幸小学校からかって自分が住んでいた新町5丁目あたりまでまた歩いた。ちょっと大変かなと思ったがこんなに近かったかと思うほどすぐ着いてしまった。この写真の通りは子供の私が遊んだり、駄菓子屋や銭湯に行ったりした道だった。ここももっと広かったような・・・・。こんな風景、どこにでもあるんですがね。
というノスタルジーな一日だった。しかし、歩いていると思い出だけではなく、旅で訪れる他の街では感じない時の経過の悲しさを感じるのはやはりこの街で生まれ育った(それも10才まで)からだろうか。

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