久しぶりの TBTです。ただでさえ暑い日々に炎天下でモツ鍋食うような「マグノリ
アス」と「外タレ・グリーン・カード・自慢・ギター弾き倒し、喋り倒し、笑い倒
し」山岸潤史のことで私の夏は終わった・・・・。
★夏の思い出その1/この夏いちばんのハプニングと言えば、ピアノ犬コジ君があの
ハイ・ジヤックされ、もう少しで墜落するところだった飛行機に乗っていたことだ
。怪し気な犯人に気づかなかったことで警察犬、救助犬としてはまったくダメなこ
とが判明。盲導犬も(自分の行きたいとこへまっ先に行く犬やからなぁ・・)でき
んやろ。軍事犬としてもなぁ。厳しい訓練が嫌いやからなぁ。狩猟犬としても、た
ぶん猟で捕ったもの自分ですぐに食べてしまうやろ。愛玩犬にするには大きすぎる
し、年もなぁそこそこやし。番犬・・・なぁ、前に空き巣に入られたっていうてた
なぁ。でも、ピアノ犬は飛行機が違う方向に飛んでいることや、高度が低すぎるこ
とをいち早く察知。一番低いときには地上を歩いているおばちゃんの顔が見えた・
・と語っておりますが、真偽のほどは・・。テレビを見たら解放された直後ほとん
どの乗客が落ち込んでいたのに、僕の携帯のメッセージに残されたピアノ犬の声は
メチャ嬉しそうで「ワンワン、ハイジャック!ハイジャック!・・・・もしもしコ
ジでぇ〜〜〜〜〜す。ワンワン」プツン・・・。何のことやら分らず半日ほどして
意味がわかりました。昔、日航機事故の時も寝過ごして乗り遅れて助かった経歴を
もつピアノ犬は「オレって、いつもギリギリのところで助かるんよなぁぁぁ」と自
慢。そこでコジ犬のキャッチ考えました-「ジェットコースター人生を送るピアノ犬
コジのスリルとサスペンス満載のプレイ。タオルなくしては聴けない!新曲”ギリ
ギリ”カップリング/”ワン!”得意技−ピアノ・ジャック」以下インターネットに
あった犬の飼い方を参考までに。
『犬中心の生活をせず、犬に振り回されないように気を付けましょう。 <教え方>
1)食べ物を与える時は名前を呼び、目線の間に食べ物を持つ2)おもちゃを与え
る時も、1)と同様にする3)ごほうび(食べ物・おもちゃ)を少しづつ減らして
いく4)一瞬ではなく、3秒間は目線が合うようにする』
★夏の思い出その2/発覚!!先日、JIROKICHIの時大西がもうひとつライヴを掛け持
ち!間違ってふたつ重なるのを「ダブスケ(ダブル・スケジュール)」とバンドマ
ン用語で言いますが、最初から分かっていての確信犯。ひとり時間差攻撃ができる
と知ってブッキングしたホトケは共犯。「ひっぱりだこで、いやひっぱりクマか、
ええなぁ・・」と言ったら、「薄利多売」とぶっきらぼうにクマは言い残してリハ
が終わってすぐ高円寺のもうひとつのライヴハウスに・・・そして約1時間後、クマ
は何食わぬ顔で帰ってきて楽屋で酒飲んで馴染んでいた。
★夏の思い出その3/妖怪モリがある夏の夜、我が家にやってきた。コンパクトな録
音器材とレコードを3枚もって夜11時出現。録音器材の説明とレコードをちょっと聴
くと、我がパソコンに向う。小生コンビニに桃カルとコーラを買いに、戻ってきて
米国音楽サイトをふたりで見ている時突如フリーズ。フリーズ解消後再度米国探訪
する小生に、モリはソファに寝そべり「ちよっと死んでいい?」と一言。「死んで
いいよ」と言って小生はパソコンで原稿書き。死んで2時間後、モリの右手が明らか
にギターのリズム・カッティングとおぼしき動きを始め、「モリ?」と声をかけた
が彼は夢の中。更によく観察すると足がリズムを取っている・・これが早い!さす
が妖怪。このテンポは何だ?どの曲だ?”Compared to what"か?”Cold Sweat"か
?・・・と、顔を見ると微笑んでいる。これが妖怪!夢の中でジミ・ヘンとセッシ
ョンか?妖怪はそのまま夜中1時から朝6時までソファにて仮死状態。朝7時近く録音
器材を再び車へ、そして帰る妖怪車を見送りながら・・彼は何のためにウチに来・
・録音?・・熟睡・レコード?・・寝・・君・・顔色良・・元気?ウチ・・カプセ
ル・ホテル?似谷啓・・・笑!!我、幻覚???幽霊・・妖怪・・納得!
★夏の思い出その4/「オレたちだって歌いたい」というタイトルのライヴがベース
のバカボン鈴木くんを中心にJIROKICHI で行われ、佐山雅弘、吉弘千鶴子、是方博
邦、本田、そして、鶴谷が参加した。ただひとり歌手の私はゲストとして扱われて
いますが、まあ軽音楽同好会の顧問のようなもの。主旨は普段歌を歌わないけれど
も、
おれたちだって歌いたいんだということで、各自が2、3曲づつ歌を歌う。当日リハ
に少し遅れ、JIROKICHI のドアを開けた途端難しい曲が聴こえてきました。「
Moody's mood for love」というジャズの曲で歌っているのはななななんと、エイリ
アン鶴谷ではあ〜りませんか。ジャズのサックス奏者ジェイムズ・ムーディが作り
歌ったなかなか粋な曲。エイリアンはもう1曲マリーナ・ショウの難しい歌も歌って
ました。是非、 Trick Bagで一度歌ってもらいたいという希望は僕だけではないと
思う。ちなみにこの企画の第一回目トップ・バッターとしてタキシードを着て歌っ
たのはBigHead佐山でした。曲は「Moonlight Serenade」。ボクの予想どおりイント
ロからハズシ、やり直しましたがまた途中でコケました。ハイ。己を知る大切さを
知ったライヴでした。
では、前回に引き続きTB SONGS FOR TB LOVERS Vol.2
1.Born under a bad sighn(BookerT Jones/William Bell)
邦題は「悪い星の下に」(アルバムも同じタイトル/スタックス・レコード68年制作
) というのですが、「まるでホトケのために作られた歌やなぁ・・・」と、昔言わ
れたことがあります。歌詞を読むとあまり嬉しい言葉ではありません。『悪い星の
下に生まれて、ハイハイしはじめた時からずっと悪いことばっかりや。それが悪運
のせいでないとしたら、オレには運がまるでないちゅうことや。悪運とモメ事はず
っとオレの友達。オレは10才の時からずっとこんな調子。字を書くことも読むこと
もできへん。オレの人生はずっとひとつの大きな戦いなんや。オレが欲しくてたま
らんもんは女と酒やって知ってるよな。いつの日かでっかい黒い女がオレをオレの
墓まで連れてってくれるで』です。字を書く・・・という一節を除けば、ほんとに
そのまま私です。 オリジナル・シンガ−はサウスポーのギタリスト、アルバート・
キング。BBKing/ Freddy King /Albert King 「ブルーズ三大キング」の中では最も
遅咲きのアルバートはこの「スタックス・レコード」と契約してからメジャー・ブ
ルーズマンの仲間入りをしました。その少し曇ったスモーキー・ヴォイスと少ない
音数で最大限の効果を出すチョ−キング奏法を多用しイキマくるアルバートのギタ
ー。アルバート・キングはほとんどのライヴでチューニングがズレていますが、僕
がオープニングをやった時もバックはみんなチューニングが合っていましたが、彼
のギターだけがズレていました。”カキコーン、ギューン”と弾くアルバートもさ
すがに合わないチューニングが気持ち悪いのか、バックのキーボード奏者に向かっ
て何か怒鳴っているようでした。後から聞けばアルバ−トはキ−ボード奏者に八つ
当たりして、最後にはクビにし、キーボード君は泣く泣くツアー中にアメリカへ帰
ったそうです。このように頭のチューニングが時々合わないことをするアルバート
でした。作曲のBooker・T・ Jonesは「BookerT&MG's」のバンマスでキーボード奏
者。そしてこのMG'sというバンドはBooker ・T-Key. Al Jackson.jr-Dr. Steve
Cropper-G. Donald"Duck"Dunn-Bという、60年代ソウル・ミュージックの牽引者、
オーティス・レディングのレコーディング、ライヴ両方に深く係わった人たちであ
り、輝かしい60年代ソウルの『スタックス・レコード』のサウンドを作った人たち
。Cropper とDuckDunはブルーズブラザーズバンドのメンバーでもあるので観た人も
多いと思う。作詞のWilliam BellはGreat OtisReddingの舎弟で、シンガー。
2.Compared to what(Les McCann)
オリジナルのレス・マッケーンはジャズ・ピアニストでありヴォ−カリストでもあ
りコンポーザーでありアレンジャーでありプロデュースもします。「Funky Jazz」
と呼ぶにふさわしい彼の音楽はソウルとジャズの間に位置するもので、そのピアノ
は実に「おいしい」ところを知っている大人のワザです。日本のジャズ・サイドか
らはこのファンク・タイプの人がほとんど見当たりませんが、この曲をやろうと提
案した「ファンク犬」コジ君は、なかなかセンスの良い「優秀犬」として特別ドッ
グフードをあげました。70年代の初めロバ−ト・フラックの才能を見つけ彼女を世
に出したのはこのマッケーンおじさんです。ロバ−タ・フラックの同志、亡きダニ
−・ハザウェイをデビューさせたサックス奏者、キング・カーティスとよく似た感
覚の人です。この曲はオッサンが何度か録音している代表曲で途中に「大統領は戦
争を始めるが、それがどんなに地獄か国民は知らない」という一節が出てきますが
、彼は60年代終わりから70年代はじめ社会政治的な曲を作った人で「The price
you've gotta pay to be free (自由になるために払うべき値段)という有名な曲
もあります。
3.Ain't nobody's business if I do(Porter Grainger/Everette Robbins)
1920年代のクラッシック・ブルーズの女性歌手、ベッシー・スミスも録音していた
ほど古いブルーズで"Ain't nobody's business if I do" とは、直訳すると「もし
オレが何かしても誰の仕事でもない」つまり「オレの好きにさせてくれ、誰にも迷
惑はかけないから」とか「オレ自身のこと他人が知ったことじゃない」という意味
。『ある日、ハムとベーコンと食べてしもた。次の日には食うもんが何にもないけ
どオレのことや。ほっといてくれ。/ある日オレとオレの彼女がめちゃひどい喧嘩を
して、でも少し経ったら仲直り。誰にも関係ないやろ。オレ等のことやねん。/一晩
中、歩き遊び回って、金を全部使ってしまっても、関係ないやろ?オレの金やから
、好きなようにさせてもらうわ」僕はこの曲を75年の「ウエストロード・ブルーズ
バンド」の1st Albumでカヴァ−しましたが、ヒップに生きたい、明日の事ばかり考
える毎日なんて・・と思っていた当時の心境を思い出しますが、成長がないのか現
在もその心境に変わりなし。最初に聴いたのはBBキングのヴァ−ジョンですが、こ
れのカヴァーは多い。ざっと挙げるとオーティス・スパン、フレディ・キング、ジ
ミ−・ウィザ−スプーン、ビリ−・ホリディなどたくさんいます。コジ君からビリ
ー・ホリディのバージョンでやろうという提案があったのでただいま練習中です。
4.Just a little bit(J.Thorton/R.Bass/E.Washington/S.Thompson)
R&BシンガーのRoscoe Gordonが1960年Vee Jay Records時代にヒットさせたブルーズ
がR&Bに移行していく時代のダンス・ナンバー。『たくさんは要らんのや。ほんの少
しでええから、オマエの愛が欲しいんや』シンプルな詞ですが、イントロから始る
リフがカッコ良くて忘れられない。シカゴ・ブルーズの亡きマジック・サムがアル
バム「ブラック・マジック」(デルマーク・レコード/'68 作)で、またTボーン・
ウォーカーのこの世への置き土産「ベリー・レア」でやっているヴァージョンもか
っこいい。アマチュア・ブルーズバンド必須練習曲。
5.All Your Love(Otis Rush)
これは前述のマジック・サムとほぼ同期50〜60年代シカゴ・ブルーズの四天王のひ
とり、オーティス・ラッシュの曲。僕は高校生の時に「ジョン・メイオール&ブル
ーズブレイカーズ」のアルバムで若き日のクラプトンがカヴァーしたのを聴いたの
が最初。後に本家のラッシュを聴いて「なんや、クラプトンは完コピやったんや・
・」と少し落胆したが、いま聴くとどっちにもそれぞれのカッコ良さがある。10年
ほど前たまたまツアーのオフの日に名古屋でラッシュのライヴがあるというので駆
けつけた。ミス・トーンも多くて、あまり良い状態ではなかったラッシュでしたが
、逆転ホームランを時折打つ人なので堪えて聴いていました。ところが自分の一番
のヒット曲であるこの曲が始ると彼は延々とギター・ソロを弾き続けました。いつ
歌が出てくるかと待ち構えたが結局歌はなく、「チャラ〜ン」とA マイナー を弾い
てお・わ・り。空振り三振〜。自分のヒット曲を歌わずに終わるか?!僕は腹が立
って席を蹴って帰りました。あんな淋しいAマイナーはないわ。
6.BowWow(Johnny Guitar Watson)
この曲のオリジナル、ジョニ−”ギター”ワトソンはテキサス出身のヒップな兄貴
でした。「でした」と書かなければならないのが、本当に残念ですが数年前来日中
に横浜ライヴハウスで心臓マヒで亡くなりました。長い間ドラッグ漬けになって音
沙汰の無かったジョニ−Gが、実のおかあちゃんに「あんたなぁ、いつまでそんなん
(ドラッグ)やってねん」と戒められ、復帰の第1作がこのアルバム。胸にはゴール
ドの自分のイニシャル「JGW」を光らせ、帽子を斜めに被り、ウィットのある、ファ
ンキーで、オシャレだけどどこかイナタイ、下町の兄貴風。Johnny Guitar
Watson!大体芸名からして出来過ぎ。これをヒネって「ジョニー・ギター・岩田さ
ん」(イワタサンを早く読むと>ワトソンになる?)というオモロイ・バンドマン
が京都にいましたが、現在は行方知れずです。70年代に発表したアルバムは誰も真
似することのできないジョニーGのファンク・ブルーズ・ワールド。ひとりでほとん
どの楽器をプレイし、その才能にはかのプリンスも注目、変人奇人才人フランク・
ザッパのアルバムにも参加したことがある超人。
7.Crying Time(Buck Owens)
いまやアメリカを代表する歌手となり、天才(ジニアス)と呼ぶ以外にあだ名のつ
けようがないレイ・チャールズの『Greatest Country&Western Hits』というアル
バムから。このアルバムはすべてカントリーの曲だが、レイが歌うとすべてゴスペ
ルやブルーズのように聴こえてしまう。有名な「愛さずにはいられない」
(I can't stop lovin' you )が大ヒットしてからレイは「Together again 」
「Take these chains from my heart」そしてこの「Crying Time」と白人のカント
リ−・ソングを取り上げヒットさせたことで、彼は白人層から絶大な人気を獲得し
ました。『どんな曲を与えられてもそこにソウル(魂)を入れ込むんだ』という彼
の考え方は、彼と共に50年代R&B SOULのイノヴェーターであり、音楽業界における
黒人の地位向上を目指したサム・クックと同じものだ。黒人が白人社会になかなか
入れ込めなかった時代に黒人であり盲目でもあったレイは点字で譜面を読み、
バック・ミュージシャン、スタジオ・ワークを経てR&Bにゴスペルを強く取り込んだ
最初の人だ。『心の空白は心根を優しくさせ、涙は愛を育てる唯一の雨というけれど、
もし、僕が100才まで生きたとしても、君への愛がこれ以上強くなることは決してない。
そして、君がドアを開けて出ていく時、また僕の泣く時が始るのさ』ピアノ犬コジ君は
かって柳ジョージ氏のサポート・メンバーだった時に、レイとレイのバンドと日本ツアー
を回ったことがあり、その時レイにピアノの手ほどきを少し受けたという夢のような話がある。
8.What'd I say(Ray Charles)
これもレイ・チャールズの曲。このラテン調のリズムはいつ聴いてもファンキーだ
。現在の流行りものにはほとんど登場しないリズムだが、200億光年先行った宇宙人
には新鮮だったのかエイリアン・ツルは喜んでやっている。レイの女性バック・コ
ーラス/ザ・レイレッツとの呼応(コ−ル&レスポンス)は教会におけるゴスペル
のやり口をそのまま持ち込んだものだが、ライヴの時いまだに1本のマイクをレイレ
ッツ5人取り囲むスタイルは美しい。
9.Hallelujah I love her so (Ray Charles)
『オレの彼女のこと喋らせてくれよ。彼女はとなりの部屋に住んでいて、毎朝太陽
がのぼる前にオレのお気に入りのカップでコーヒーをもってきてくれるんだ。彼女
に電話して”ひとりで淋しいんだよ”と言うと、彼女は4つ数える頃にはオレのドア
を叩くんだ』というノロケ・ソング。ハレルヤは神を讃える言葉ですが、なんと訳
せばよいのでしょう。「ハレルヤ!オレはあの娘がごっつ好きやねん」アホみたい
ですね。Rayの初期のヒットに「I got a woman 」という曲もあるが「オレには女が
おんねん」か?
★News:ブラック・ミュージックのインディーズ・レーベルとして名を馳せている
P-Vine Recordsのコンピレーション・アルバム「Tribute to Robert Johnson (仮
タイトル)」に我がTBが1曲参加した。曲は「空しき愛」(Love In Vain)発売予定
は11/25。さあ、そろそろアルバムに向いましょうか・・。
★Live 9/11(土)六本木アルフィーはベースの大西欠席のため助っ人-中村キタ
ロー。ここは先頃亡くなられたジャズ・ドラマー、日野元彦氏のクラブ。小さなス
ペ−スですので絶対観たい方は早目の突進を!さあ、TB新天地開拓となるか?玉砕
か?
★Live 9/30(木)JIROKICHIはTB全員集合。
TB Mail Adress zx8t-ngi@asahi-net.or.jp |