新年、新世紀になってかなり腐ってしまったこの国に、たくさんHappyなことがある
ことを祈るばかりだが、どうにも納得がいかないのがあの「カウント・ダウン」と
いうやつ。新年だ、新世紀だ、ミレニアムだと大晦日はどこもかしこも「カウント
・ダウン」を喜んでやったようだが、いったいアレは何だ?5、4、3・・とみんな
で唱和して何がおもろいねんとひねくれ者は思ってしまう。クリスマスからハロウ
ィンまで自分たちの国の行事にしてしまった日本だが、どうやらあの「カウント・
ダウン」も仲間入りしたらしい。僕は”ビッグ・ホーンズ・ビー”のゲストに呼ば
れて大阪心斎橋クアトロのステージで年を越したのだが、案の定カウント・ダウン
があった。カウント・ダウンのリハーサルもあった(リハなんかすんなよな・・数
字数えるのに)。いちばんいきいきしてたのは舞台監督。カウント・ダウンやるた
めに曲数を減らせだの、増やせだの。ちょうどゼロをちゃんと合わせたいらしい、
どうしても。とにかく来年からはカウント・ダウンはみんなの力で止めさせましょ
う。あれはサンダーバードだけでいい。こんなこと言ってる僕が大晦日のコンサー
トに呼ばれなくなるだけか・・。
さて、僕が中学、高校生の頃の正月の楽しみはお年玉で普段買えないLPを買うこと
だった。そして、映画を観にいくことだった。いまでも何故か正月のレコード屋(
CD屋)に行くとウキウキする私は幼稚なのだろうか?しかも「セール」という看板
、キャプションを見ると「よーし!」と本腰が入る。そして、後はいつもの「レコ
ード店内夢遊病」となって時間を忘れてしまうことになる。しかし、今年の正月は
「あたぁ〜〜りぃ〜」だった。まず長い間CD化されなかったT.ボーン・ウォーカー
のラスト・アルバム”Very Rare”がやっとCD化された。僕はオリジナルのアナログ
2枚組をもっているが、実は2セット同じものをもっている。ひとつは聴き過ぎても
う音にならないので、10年ほど前にもう一枚某レコード店の店主から一万円と言わ
れたのを8千円に値切って買った。それももうちょっとノイズが気になりだしたとこ
ろだった。それにこの素晴らしいアルバムをたくさんの人たちに聴いて貰うために
もCD化をと思っていた。これはモダン・ブルーズ・ギターの創始者、T・ボーン・ウ
ォーカーの遺作となったアルバムで1974年にリリースされた。レーベルはWarner
Record系列のReprise Recordsだが、今回再発したのはWounded Bird Recordsという
N.Y.の会社だ。プロデューサーはかって「カンサス・シティ」という曲を書き、
50、60年代にR&Bの素晴らしい曲をたくさん残したソング・ライター・コンビのジェ
リー・リーバーとマイク・ストーラーのふたりだ。バック・ミュージシャンはもう
ため息ものです。キーボードにジエイムズ・ブーカー(伝説のニューオリンズ・ピ
アニスト)チャールズ・ブラウン(tbがカヴァーしているDriftin' Bluesのオリジ
ネイター)、ギターにラリー・カールトン(いまや白髪だが、この頃はベビー・フ
ェイスで可愛い?)とデヴィッド・T・ウォーカー(言わずと知れたマービン・ゲイ
のアルバムなどに入っている名人)、ベースにウィルトン・フェルダー(クルセイ
ダース他70年代クロス・オーバーの立役者、サックスも吹くべーシスト)、ドラム
にジム・ゴードン(エリック・クラプトンのデレク&ドミノス時代のドラマーであ
り、カーペンターズのアルバム「Yesterday Once More」など多数のアルバムに入っ
ている優秀なドラマー)とポール・ハンフリー(彼も70年代のクロス・オーバーの
立役者のひとりだが、ウエス・モンゴメリー、チャーリー・ミンガス、レス・マッ
ケーンなどアルバムに入っているジャズ畑の人)そして、ホーン陣となるとディジ
ー・ガレスビー、ズート・シムズ、ジェリー・マリガン、ハービーマン、デビッド
・ニューマンともううなづくばかりの布陣。しかも、バック・コーラスがあのアレ
サ・フランクリンのコーラス、スウィート・インスピレーションズと来たら何はと
もあれ買うしかないだろう。
つまり70年代中期のクロス・オーバーの波が最大に達した頃のアルバムで、実にモ
ダン、コンテンポラリィー、ソフィスティケイトされつつもブルーズの核はしっか
りあるという・・・当時、これを何て大人のブルーズなんだ・・と死ぬほど聴いた
ものだ。人生のいろんな断片が見えるような形20曲のブルーズ。最後のレコードを
その時の最も最先端の音に残していったT.ボーンはやはり粋人であった。粋人と言
えば、オリジナルの表ジャケットはひとつも文字がなく、ただ皿の上にT.ボーン・
ステーキがドーンと載っているだけという粋なものだ。日本に何枚入荷したか知ら
ないが、是非、いまからレコード店に走ってください。帰りに肉屋に寄ってT.ボー
ン・ステーキを買うもよし。
もうひとつ当たったのが昨年来日した孤高のジャズ・シンガー、ジミー・スコット
のこれはほんとに「幻」だったアルバム「The Source」が出ていた。これは1970年
のリリースだったがイニシャル分だけが出回っただけですぐに発売中止になった。
例の契約問題で彼の新譜は次々発売中止になったが、これがその最後のものではな
いだろうか、この70年から92年に再発見されるまで20年以上、最も歌手として充実
するはずの時期に何も残せないまま過ぎてしまった。ライナー・ノーツにジャズ・
シンガーのナンシー・ウィルソンが書いているようにまさに「シンガーズ・シンガ
ー」であり、歌手の永遠の必聴盤。
彼が全力を尽くしたこの素晴らしいアルバムが発売されなくなった時の彼の落胆と
、これ作り上げたメンバーたちの悲しみはどんなに大きかったことか・・。そして
、何より大きな損失を受けたのはこれを長く聴くことができなかった私達だと思う
。魂があふれ出ている崇高な一枚。このジャケットは黒人のアフロ・ヘアーの女性
の胸から上なのだが、ジミー・スコットの高い声を聴いて彼の顔を知らない人はこ
のジャケットの女性(時折僕には男に見えるが・・)がジミー・スコットと思うか
も知れない。中ジャケットにも彼の写真はない。なぜだ?さあ、もう一度レコード
屋へ走ってくれ。
そして、もう一枚。ニューオリンズ・ファンクのイノヴェイター、ザ・ミーターズ
のドラマー、ジョゼフ”ジガブー”モデリステのたぶん?初ソロ・アルバム”
ZIGABOO.COM”。僕はこの怪物ドラマーをニューオリンズで観たが、太い樹がどんど
んと空に延びていくような、ジャックと豆の木みたいなドラムだった。アルバム・
タイトルからおっさん、CPにハマってるのかと思いたくなるが、何しろプロデュー
ス、すべての作詞作曲、歌、ドラムを自分でやり、そしてこのアルバムのためにお
っさん自分のレーベルを作るというカンカンな熱の入れよう。1曲目を聴いておっさ
んのプログラミングした打ち込みなど入っていて、おっさんちょっとカンカンなり
すぎか?と思ったが2曲目からはぐいぐい盛りかえし、結局気がつくとニューオリン
ズ・ファンク・グルーヴの中で腰が動くということになっていた。ジャケットはジ
ガブー氏の顔アップだが、オットセイに似ていて思わず小魚なんぞ投げてやりたく
なる。いやなごむお顔です。この3枚で今年の正月はごきげんのはずだったのに、長
期的なカゼにやられてまいった。
tRICK bAG の面々は静かな正月を送っていたらしい。コジ犬がドタッと横になって
酒とバラじゃなくて、酒と餅の日々を送っている姿があなたは目に浮かばないか?
冬眠しそこねた大西熊が正月を楯にとって連日ぐだぐたと酒を飲んで「かくし芸大
会」にぶつぶつ言っている姿が頭に浮かばないか?故郷へ帰ると暮れのオレの仕事
を断わったエイリアン・ツルがスキー場でエイリアン・パワーを使って若い女性た
ちの前でスノー・ボードなどを得意気にする姿が目に浮かばないか?そして、カオ
ス・モリだ・・・・見えない、どうしても彼だけ見えない。吹雪いている・・正月
とモリ・・・?。餅とみかんはかろうじて見えるが・・アンプなんか直している可
能性もあるが・・CPゲームでひとり「おりゃ!」とか言って遊んでるかも・・見え
ん。
ま、今年も先の見えない砂漠をマニュアルもなく、オアシス求め彷徨うtbでありま
しょうが、よろしく。
前も言ったかも知れないが「小島」っていうバンドがだんだんインディーズからの
し上がってきたのか、よく「小島」という活字を見る。どうもホーン入りのパンク
、ダンサブル・バンドのようだが、いまだ音は聴いていない。メンバーが多い。み
んな名前が「小島」だったらちと怖い。小島はこの「小島」一派だと思われはしな
いだろうか?パンクと言えばコジ犬はパンクやからなぁ。「アジコ」というバンド
もあるが藤子不二夫と味の素を思い出すのはオレだけか?しかし、何が恥ずかしい
って「初恋の嵐」だ。これバンド名だそうだ。ヒップホップ系の人だと思うが「
Low-IQ-ICHI」という人がいる。これ「低いーIQー1」と読むのはオレだけか?「キ
リンジ」というデュオは相撲関係か?「くるり」というのもある。何だ?それ?オ
レをバカにしてるんか。「イノトモ」っていうのは「胃の友」なのか?「ポケット
キノコ」は新種の笑い茸か?ひとつくれ。
スケジュール
<tRICK bAG>
1/30(火)おっと明日かtRICK bAG/Jirokichi(コジ犬が迷い犬になったか?NGなの
で、助っ人に最近オルガン、GOOD!の須川光を呼んでおります)
2/21(水)船橋 「月」0474-24-0706
2/27(火)Jirokichi 03-3339-2727
3/20(火)Jirokichi 未定
<and.....>
2/2(金)大阪アメリカ村 ネストサルーン(Talkin'blues trainと題して連続もの
のホトケによるブルーズの話と演奏)塩次伸二、ホトケ他。
2/16(金)目黒ブルーズアレイ We got the blues!(ブッチャー浅野G,梶原順G,松
原秀樹B,沼沢尚Dr,ホトケVo)
2/24(土)水戸Blue Moods(?029-231-8955)Hep Cats(森園とホトケのデュオ)
問い合わせ 水戸クラップ(029-231-5581)
3/10 (土)熊谷 アコースティック葡萄館 Hep Cats
4/21(土) 秩父 ホンキートンク Hep Cats
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