MY NOTES > MAIL MAGAZINE > BACK NUMBER-No.28




永井”ホトケ”隆/tbt(tRICK bAG tRIBE) No.28
 
(ストーンズのミック・ジャガーが女王陛下からナイト(Knight)の爵位を授かるそ
うな。これから 呼ぶときは「Sir Mick Jagger」となる。キースは貰えないのか?
さぁ?キースのコメントが楽し みだ)
[雨天時に於ける野外ブルーズ・パフォーマンスの在り方]
毎年恒例の「ブルース・カーニバル」が5/25.26に日比谷野音であった。僕は5/26に
「鮎川誠、小堀正、岡地曙裕」というセッション・メンバーで出演したがやっぱり
野音は気持ちがいい。あれでもう少し演奏時間があればもっと気持ちがいいのだが
・・(日本人ミュージシャンと外タレの演奏時間の差がありすぎだとのメールをい
くつかもらったが、そのメールは主催のM&Iにも送って欲しい)。少ない時間に当日
まで選曲が決まらず困り果てていたら、マコちゃん(鮎川)ガ実に適切なアドヴァ
イスをくれたのでなんとか形はついた。ステージ前も、ステージ上でもマコちゃん
は肝が座っていて勇気づけられる。シーナはもっと肝が座っていて叱咤激励される
が・・・。しかし、会場のみんなは雨が降って雷が鳴り大変だったと思う(僕達の
セットが終わる少し前に雨が止んで虹が見えたのだが・・MCのゆうぞうが勢いで「
虹を出す男」と僕のことを紹介したのにはまいった。カッパ−フィ−ルドじゃない
んだから)。その最悪のコンディションにも関わらず、ほとんど人が最後まで帰ら
なかったのはトリに出たバディ・ガイの「これでもか!」と言わんばかりのエンタ
ーテナーぶりだった。バディが出た頃には更に雨足が強くなり、雷も結構近いとこ
ろで落ちているようだった。しかし、バディは「こんな雨、故郷ルイジアナの雨と
比べたらシャワーみたいなもんやで」とばかり雨が差し込むステージ前方へ自ら進
み出て、ギターに気合いを入れるのかシールドでギターの弦を叩くというSM的技(
?)を披露。そして、思いっきりの早弾きを荒々しくやってのけた。歌は・・と言
えば、よく声が出ている。そして、スロー・ブルースに突入し、なんとなく今日の
バディは違うぞ・・と思わせた瞬間な、な、なんとリズムの頭と雷の音がぴったり
と重なって「ドカ〜ン」。一瞬PAに雷が落ちたかと思わせたほどで、ステージ・サ
イドで見ていた我々は「おっ!」と一歩退いた。ところがバディは微塵も動かず、
今度はローディから受け取ったタオルで濡れたギターを拭きながらの「雨天決行野
外公演に於けるギターの作法」(?)を披露していた。「こんな雷なんか故郷ルイ
ジアナの雷に比べたら子供の雷さんのいたずらみたいなもんやで」とばかりにジョ
ン・ハイヤットの秀曲”It feels like rain”を歌っていた。演奏にアップ&ダウ
ンをつけながら、いろんな技を披露しつつ最後まで観衆を帰さなかったエンターテ
ナーぶりはさすが百戦錬磨のブルーズマンだった。ひとつ注文を言うなら1曲を最後
まで全部歌って欲しい。どの曲も1番か2番歌ったところでながーいギタ−ソロにな
り、ソロが終わったかと思うともう次の曲に入ってしまう。(ながーいギタ−ソロ
)ばかりじゃなく(ながーい歌)も歌ってほしい。
[定住しないーブルーズマンの基本]
6月に入り6日から9日まで塩次伸二と関東近辺を回った。6日の柏市「ナーディス」
は初めてだったのでやや客足が伸びなかったが、ひとつひとつのプレイ、一曲一曲
に暖かい拍手をもらった。この日常磐線に初めて乗った。と思ったら翌日また常磐
線に乗って水戸へ。こんなことなら柏に泊まればよかったのに・・。電車で水戸へ
行くのは初めてだったが柏、我孫子を過ぎ、取手あたりであとどのくらいかな・・
と線路図をみると土浦の先、石岡の先・・もっと近いと思っていたので一瞬アセっ
た。縦に長い茨城県のまん中よりやや北に水戸が位置していることを初めて知った
。身をもって知った。水戸の前に友部と言う駅があり、友部という文字を見ていた
ら友部正人を思い出した。彼の「大阪へやってきた」という歌も思い出した。そし
て、あるかな・・と思っていたら駅前にはやっぱりあった・・・水戸黄門の銅像。
なぜか嬉しい気持ちになった。僕のアホな知り合いが水戸の名園、「階楽園」を長
い間「快楽園」と思い込み、しかもかなりフリーなお色気の一帯だと思っていたこ
とも思い出した。水戸の「ブルーム−ズ」はいつも盛況でお客さんは熱い。おまけ
に出してくれるメシがうまい。ここでの僕たちのライヴは水戸随一の楽器店「クラ
ップ」の石井くんの熱意に支えられているが、思えば下北沢でよく飲んでいた彼が
学生の頃から彼は熱く、男気が強かった。その熱い男気のような僕の赤いテレキャ
スター(マディ・ウォーターズ・モデル)は「クラップ」で購入したが、とても気
にいっている。付け加えるなら「クラップ」はアフター・ケアがいい!翌8日はヴォ
ーカルのLEOとベース小堀正を加えて船橋「月」。この店は以前「塩次伸二ギター・
ジム」の生徒だった通称竜平チャン(ダチョウ倶楽部の・・に激似!)ことが野口
くんがオ−ナ−。ここも食べ物が上手いのだが、オーナーの食べる量を基準にして
いるのですべて量が多い!「小盛り」が一般の「普通盛り」、黙っていると必ず一
般の「大盛り」がくる。僕が名付けた千葉随一のブルーズバンド(他に知らないだ
けなのかも知れないが・・若いのに腰の入ったバンドだ)「仏壇返し」がホームグ
ラウンドにしていることもあり、お客さんのブルーズ度は高い。この夜はLEOの曲で
ギターを弾くのに四苦八苦し、いくつものことを同時に出来ない自分のアホさを計
らずも露呈してしまったが、次回はびっちり予習してきますLEO様。そして、最後
9日はもう何度行っただろう。長年のつきあいになっている歯科医ドクター鳥塚の仕
切による、愛着のある秩父寄居でのライヴ。今まで皆野町のライヴハウス「ホンキ
ー・トンク」でやってきたが今回は「ホンキー」はできないというので、中止しょ
うかと思ったが、ドクター鳥塚のいつもながらの熱意で彼の友人の店「幸案」で出
来ることになった。ママさんに出してもらった今年初めてのそーめんがやたら旨か
った。ドクター鳥塚は「ラブ・ボーン」というバンドを組んでいるがだんだん良く
なってきているので地元の方応援してあげてください。この秩父でのライヴが続い
ているのも、主催してくれる鳥塚氏とこの地のお客さんの熱意による。そばも旨い
し、しいたけも旨い、温泉はあるし、身体の悪い僕のようなミュージシャンにはラ
イヴと治療を兼ね備えた理想の地と言える。「長瀞ペンション」というリラックス
できるいいペンションもある。しかも名前を忘れたが歌の神が祭られている神社が
あった。演歌関係の人たちが奉納しているようだったが、ブルーズ関係としてしっ
かり御参りした。しかし、このツアーの間、塩次伸二が悪性の風邪から脱出できず
、ステージでも咳き込んでいた。だが、さすがブルーズ・ギター・マスター、ギタ
ーの冴えに変わりはなく、どこでも暖かいアンコールをもらった。あまりの咳でア
ンコールに何度も応えられなかったが、一番残念だったのは本人だと思う。次回は
万全の体調でコテコテにやりますから。
東京近郊の街へ都内の人たちはあまり行くことはないだろうが、我々のライヴを観
がてら一泊ぐらいの小旅行するのも楽しいと思う。秩父の時は深谷市のホテルに泊
まったのだが、深谷の駅はレンガ作りで明治時代のような趣きがあると思っていた
ら、ここは明治初期の経済人、第一国立銀行(日銀の前身か?)の創設者渋沢栄一
の故郷だった。彼はレンガ会社も作り、いまも残る東京駅のレンガはここ深谷から
持ち込まれたものだという。僕の理想はギター一本持ってロバ−ト・ジョンソンの
ように、または寅さんのように旅して暮らすことだ。定住しないーブルーズマンの
基本です。B.B.Kingもいまだにツアーの毎日だ。
極私的音楽話題
1.4/27と5/2に素晴らしいライヴを聴かせてくれた「四人囃子」だが、どうもその時
のライヴ盤がリリースされるらしい。ちょっと聴かせてもらったが5/2の渋公は最終
日で演奏もこなれていい音していた。「いいじゃない」というとモリは満更でもな
い笑みを浮かべていた。「四人囃子」は若者のロックの祭典と思っていた「フジ・
ロック」に出演することが決定。モリ曰く「今年はおっさんのバンドも結構出るら
しいから・・」おっさんの追っ掛けとしては行くしかないか・・。
2.その「フジ・ロック」にワンワン小島が二度出るらしい。一度は「チャ−」のバ
ンドだろうが、もうひとつは何だろう。でも、「フジ・ロック」って富士でやるん
じゃなくてスキー場の「苗場」だという。苗場って新潟だよな。
3.7/4-7/8は金子マリが企画にも関わっている「下北沢音楽祭」が北沢タウンホール
で開かれる。マリちゃんは森園勝敏、藤井祐、正木五郎というメンバーで7/7に出演
。この日はマリちゃんの御子息の人気バンド「RISE」も出る。親子のセッションは
ないのか?
4.マリちゃんも好きなボニー・レイットの新譜「Silver Lining」がハードにドライ
ヴしていた。彼女のスライド・ギターはいまや誰もマネできない独自のスタイルを
完全に確立している。
5.モリに見せてもらった「リトル・フィート」のライヴDVDがメチャ良かった数日後
、レコード店でリトル・フィートの名ライヴ盤「Waiting for Columbus」を見かけ
た。「ああ再発されたのか・」と手に取ってみると再発ものでは僕が全幅の信頼を
預けているライノ・レコードからリリースだった。するとさすがライノ!78年に出
たオリジナル盤に更に10曲の未収録曲入りの2枚組。久しぶりにわくわくして聴い
てみたら・・・・それは・・・ロックのなんたるか・・。
6.来日情報:ギタリストのコーネル・デュプリーがリーダーとなり「ソウル・サバ
イバーズ」というグループで6/24(月)〜6/29(土)、ブルーノートにやってくる
。デュプリーだけでも観たいところに加え、チャック・レイニー(ベース)、レス
・マッケーン(キーボード、ヴォーカル)、バディ・ウィリアムス(ドラムス)、
ヒューストン・パーソン(サックス)というファンク・ジャズ・ブルーズ・ファン
にはヨダレもののメンツだ。
詳しくはブルーノートHP へhttp://www.bluenote.co.jp/sche/index.html

[HOT TOKEスケジュール]
明日6/19(水)目黒「ブルーズアレイ」(5496−4381)「Talkin' Blues
Train/JとBとホトケ 梶原順、ブッチャー浅野、Hotoke」
6/25(火)芦屋「イエロージャケット」(0798-72-3444)オーナー、ノミオのバー
スディ・ライヴ
6/28愛知県刈谷 「GET 」 6/29名古屋「JB.Studio」(両日共、塩次伸二率いるバ
ンドとのギグ)
6/30(日)Jirokichi(3339-2727)[ブルーズ道場破り]永井ホトケ隆vo,g 藤倉嗣
久vo,g YANCY(Key) 小堀正b 岡地曙裕dr 吾妻光良G(予定)
7/25(木)船橋「月」[ブルーズ道場破り]永井ホトケ隆vo,g 藤倉嗣久vo,g VS 
仏壇返し
7/30(火)Jirokich[プレイ・ジ・アニマルズ]60年代最もブルーズ度の濃かったイ
ギリスのロックバンド、「アニマルズ」のヴォーカル、エリック・バードンのオー
ル・カヴァー。森園勝敏g石井為人key小堀正b上原ユカリ裕dr HOTOKE vo
7/31(水)Jirokich[ロッキン・ニューオリンズ]LEO vo,小堀正vo&g,大西真b鶴谷
智生dr HOTOKE vo&g
8月は[ブルーズ道場破り]シリーズ。16才ブルーズボーイ藤倉嗣久を連れて旅に出
る。詳細は次号を待て!

[今日のtbtに出てきたお店の連絡、HPなど以下一挙羅列]
柏市「ナーディス」0471-64-9469 船橋「月」0474-24-0706 秩父寄居「幸案」
0907-825-4597 ドクター鳥塚のHP http://www.metoro.co.jp/drtori/
「長瀞ペンション」0494-66-3168 水戸「クラップ」029-231-5581
「ブルーム−ズ」029-231-8955
下北沢音楽祭/問い合わせ ソーゴー東京 03(3405)9999

 




[←back] [next→]
Page Top

| WHAT'S NEW | PROFILE | SCHEDULE | MUSIC/DISCOGRAPHY |
| BOOK | PHOTOGRAPH | MY NOTES |
| blues.the-butcher-590213 (The Blues Power) | LINK | GUESTBOOK |
Copyright © hotoke-blues.com. All Rights Reserved.
Mail to a site administrator: info@hotoke-blues.com
Mail to HOTOKE: hotoke@hotoke-blues.com
すべてのメールに返信できない場合があります。ご容赦ください。
  Powered by FUJI P.I.T.