|
"Hard Again" "I'm Ready" "King
Bee"/Muddy Waters/ソニー・ミュージック・ダイレクト |
(MHCP350,MHCP351,MHCP352) |
昨日の朝はスキップ・ジェイムズの"Devil Got My Woman"が朝イチの曲だったが、今朝の「おめざ」の曲は同じ"Martin
Scorsese Presents THE BLUES〜A MusicalJourney"のDisc-5、B.B.Kingの"The Thrill
Is Gone"だった。このDisc-5にはオ−ルマン、スティーヴィ−・レイ、ボニー・レイットなど白人ブルース派がたくさん収録されているが、その中2曲目のジョニー・ウィンターに改めて感嘆した。自作の「ダラス」という曲をロバート・ジョンソン・マナーのスライド・ギターで弾き語りしているのだが、そのギターを聴いただけで彼がどれほどブルーズを深く探索したかが分る。そのジョニ−・ウィンターが、1970年代の終りから80年代初めにかけてプロデュースしたマディ・ウォーターズのブルー・スカイ・レコード時代の3枚のアルバム"Hard
Again" "I'm Ready" "King Bee"が、先月リマスタリングされ再発された。ブルー・スカイ・レコードというのはジョニ−・ウィンターのレ−ベル(実はオーナーは当時の彼のマネージャー)として知られているが、ジョニ−がチェス・レコードとの契約も切れてしまったマディにもうひと花咲かせて欲しいとレコーディングをもちかけ実現したレコーディングだった。
81年にリリースされた"King Bee"の2年後にマディは亡くなったが、ライナーの最後にマディの若妻はじめ家族と好々爺マディが微笑んでいる写真がある。めちゃ大金持ちにはならなかったが、ブルーズマンとしては幸せな、悠々自適な晩年を送っていたマディの姿だ。その悠々自適な晩年を過ごすことができたひとつのきっかけが、ジョニ−がプロデュースしたこの3枚のアルバムだ。この3枚がヒットし、グラミーを獲得したことによってマディは再びブルーズ・シーンの中心に躍り出た。
1枚目の"Hard Again"はマディの他にジョニ−・ウィンターがギターとプロデュース、ジェイムズ・コットンがハープ、パイントップ・パーキンスがピアノ、ドラムにウィリー・スミスというマディ馴染みのメンバーに、ベースがジェイムズ・コットンの名作"100%Cotton"のチャールズ・カルミーズ、そしてギターがもうひとり、今回このアルバムのライナーも書いているボブ・マーゴリン。そのライナーに某インタビュアーがなぜ「ハード・アゲイン」というアルバム・タイトルにしたのですか?と聞いた時のことが書いてある。プロデューサーであるジョニ−は敬愛するマディにもう一度昔のようにハードなブルーズを歌ってもらいたいと意味で名付けたのだと思うが、そのインタビュアーにマディが「このアルバムはボクのオチンチンを再び固くしてくれるんだ」とふざけて答えたという。"Hoochie
Coochie Man"らしいばっちりの表現!サウンドはメンバー全員がバイアグラを過剰摂取したような、もうバンドは大騒ぎ!マディの歌もヴォ−カルの許容音量を振り切り、レッド・ゾーンに突入しているだろうギンギンさだ。「マディ回春名盤」とでもソニーはつけるべきだった。他のニ枚も素晴らしいが、私はまずこの"Hard
Again"を薦める。
マディのでっかい顔を見ながら、これを聴いて焼肉とキムチをどっさり食べてハードに夏を乗り切ろう!素麺ばっか食べて、ふにゃふにゃの音楽ばっか聴いてたらあかん!ふにゃふにゃになるで・・何が?って、何が!ジャケ写真もPhotographに入れておくので見てほしい。晩年の"Hoochie
Coochie Man"(精力絶倫男)の勇姿だ!(04/8/3記) |
|