MY NOTES > My Feeling For The Blues > No.16




デニス・ラセール(Denis LaSalle)
ライヴ・イン・イクスピアリ舞浜(2004.12.20)

 「米南部直送、添加物なし、デニスの濃厚純生ブルーズン・ソウル・ショー」千葉の舞浜かぁ〜〜、ディズニーランドのあるとこなぁ・・ちょっと遠いなぁ・・・と少しためらいはあったものの、やっぱりデニスおばちゃんは観なあかんわなぁ・・・と横浜から舞浜に向かった。なぜ横浜かと言うといま歯の治療に横浜の知り合いの歯科に通っている。東京駅までは30〜40分。東京駅で京葉線に乗ってしまえば5から20分ほどで舞浜に着くのだが、東京駅での乗り換えに時間がかかる。JR!なんであんなに京葉線のプラットホームは遠いんや!!
慣れない舞浜駅で降りるとすぐ「イクスピアリ」というショッピング・モールがあり、その4階に今年11月オープンしたばかりの「クラブ・イクスピアリ」はある。店の感じは「ブルーノート」「モーション・ブルー」系。コートをクロークで預かってくれたりするのは助かる。
さて、デニス・ラセ−ルのここでの公演は3日間あり、今日が最後。明日は京都の磔磔だ。ライヴが始まる前に久しぶりにマルガリータなんぞ飲む。キャパの半分くらいが埋まっている客入り。客の年齢層はかなり高い。上戸彩みたいなのはおらんが、上沼恵美子みたいなのはおる。まあ、私も確実に年令レベルを引き上げているひとりだ。前二日間、客は入ったんやろか?いったい世間は何してるんやろ?さしておもろないお笑いや、いつも同じメンツのくだらんTVドラマなんか観てるんか・・。ところでデニスおばちゃんの機嫌はどないやろ?あかん、おばちゃん言うたらあかんな。デニス嬢(ミス.デニス)と呼ばな睨まれるな・・と、アホなことを考えている内に客電が落ちて、いよいよ始まり始まり。「スター・オブ・ザ・ショー」の常道とも言える、御本人登場の前に黒人女性コーラスのふたりが歌う。髪の長い若そうな?(黒人の年令は見た目ではわからないので)女性が先に歌い、続いてやや年いってる?ちょっとキツめの、超ショート・ヘア−の黒人梓みちよ風の女性がアレサ・フランクリンの「チェイン・オブ・フール」を歌って場を暖めた。そして、いよいよデニスの登場だ。意外とあっさりとしたMCの後にデニスは白人のプロモーターのおっさんに腕をひかれて登場!う〜ん、でかい。背は普通だが胸と尻(腰と尻が一体化している!わかる?)そして顔がでかい。やっぱり金髪だったが、ジャケ写などでよく見るクルクル・ロングではなく全体にショートでうしろだけ獅子舞の獅子のようにまっすぐ伸びている。ウィッグか?しかし、やや残念だったのは1部2部ともパンツ・スタイルだったことだ。これも彼女のジャケ写で見かけるギンギン・セクシー系胸開き、いまにも破れそうピチピチロング・ドレスで登場かと期待していたのに・・・。しかし、パンツ・スタイルながらやはりジャケットにはキラキラ銀糸の柄が入っていた。
登場してすぐに、83年彼女がマラコ・レコードで復活を果たした曲"Lady in the
Street"を歌い、続いて同名のアルバムにも入っているが、彼女が書いてZ.Z.ヒルが大ヒットさせた"Down Home Blues"に突入。ちなみにZZのヒット"Someone Else is Steppin In"もデニスが書いた曲だ。そして、連奏の3曲目は71年にソウル・チャート1位になった"Trapped By A Thing Called Love"だ。この3曲だけでも彼女がどれほど優れたソング・ライターで、素晴らしいシンガーかがわかる。やや咽が疲れているのか、咽を気にするそぶりを見せながらも90年のアルバム"Still Trapped"に収録されている" Drop That Zero" "Paper Thin"とパワフルに続けた。最後の曲ちょっとわからなかったがジャンプ・ナンバーで約一時間のステージを終えた。
うーん、ええ感じで濃いなぁとマルガリータのおかわり。何かで読んだ彼女のプロフィールに、彼女は"sultry"(官能的な、情熱的な)なエンターテイメントというのがあったが、それは2部でどーんと発揮された。
2部も70年代のヒット"Run and Tell That"から始まり、ミディアムのブルーズに移りその後やはりブルーズっぽい"Juke Joint Woman "(これは97年"Smokin' In Bed"というアルバムに入xっているのだが、ゴージャスなベッドでネグリジェ?姿で微笑む威風堂々のデニス嬢のジャケ写は一度見て頂きたい!)へと突入。だんだん濃厚なブルージーなムードになり気分よくなってきて、ここでまたマルガリータおかわり。その後2002年のアルバム"Still The Queen"から"I'm Still The Queen"を歌った頃には、「確かに姉御は女王様ですよ」と言わざるを得ないような高揚した気持ちになった。客をステージに上げコーラスのお姉ちゃんたちと踊らせ、"The Blues Is Alright"を一緒に歌わせ盛り上げ、黒人クラブの匂いをブンブン振りまいてステージは終った。
もう70才(私が調べた公式プロフィールでは65才だったが、今回のプロモーターの人に聞いたところではパスポートでは70才。年令詐称疑惑が浮上。しかも5才もだ。私もやろかなぁ)になろうとする彼女はR&Bとソウルとブルーズの3つが実に上手くブレンドされた音楽を作り、歌いつづけている。本当に偉大というしかない。しかも、そのストリートに密着した曲作りもずっと変っていない。歌手としてはこういうタイプの人がいるようで意外といない。アーマ・トーマスよりはブルーズ寄り、ココ・テイラーよりはソウル寄りだ。張り上げない時のもっこりした歌声が実にいい。歌のパワーもバリバリある。足がちょっと悪いのでダンスは出来ないが、歌と色気ではヒップホップのビヨンセとタイマン張るくらいの気持ちはあるだろう。見逃した方はホントに残念でした。今年リリースされた新アルバム"Wanted"(Ecko Records)も買わなあかんなと思いつつ、ディズニー・ランドの夜景を背に幸せな気分で舞浜を後にした。しかし、電車に乗ってから疑問がひとつ。デニスがステージに登場した時に、すぐ後からバッグをふたつ肩から掛け、コートを着て、マフラーを巻いたマネージャーのような、ローディのような、家政婦さんのような女性が一緒に現れ、ステージを横切り、ステージの端に陣取り時々ペット・ボトルの水を渡していた。そして、ステージが終るとまたデニスの後に付いて堂々とステージを横切って消えていった。あの行為は「スター・オブ・ザ・ショー」のステージとしてはいかがなものか?何かめちゃおもろかったけど・・。
来年の1/14にはこの同じイクスピアリで「ウエストロード・ブルーズバンド-1+小島良喜」やりますから、是非来てください!デニスのこの夜のステージを心に留めてがんばります。

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