MY NOTES > My Feeling For The Blues > No.44




44-2006/03/22 (WED) ザ・ローリング・ストーンズ・コンサ−ト 東京ドーム
photograph参照
 
ストーンズの98年の「ヴードゥー・ラウンジ・ツアー」のDVDを朝から観て気分を高めて、雨の中いざ東京ドームへ。いやぁ〜、おっさんが多い、おばはんも多い。
ロック・ファンの高齢化をこうして目の当たりに見ると、日本の高齢化現象を厳しく教えられたような気がする。が、今日はそんなことも忘れよう!おおっ!おっさんたちは元気にグッズ売り場に集って買物をしている。まあ、ストーンズの連中が60才を超えているのだから、初期からずっと追っ掛けてきた私達もおっさん、おばはんになっているのは当然なのだが・・・。お馴染みストーンズの「ベロTシャツ」を着た人たちがロビーにたくさんいた。出っ張ったお腹でベロがめちゃくちゃ広がっているおっさん、ベロがラメになっているピチTがもう苦しそうにピチピチになり過ぎているおばはん、ベロがやたらたくさんプリントされたアロハを自慢気に着たおじ、なりきりキース・リチャーズのような頭に布を巻いたおじ、会社を今日は早々と退社してきてビールで勢いをつけているサラリーマン・・・始まる前のロビーはそれぞれストーンズへの想いを抱えた人たちであふれていた。そろそろ席に着こうかとアリーナへ降りた時、ひとり不思議なおっさんを発見。そのおっさんは何故かアリーナのフェンスに何度も何度もガツン!ガツン!と自分の身体をぶつけているのだ。フェンスを手で押したりもしている。何やってるんやろ?これはまあ私の推測だが、野球で外野手が捕球する時にフェンスにぶつかった時の衝撃の度合いをそのおっさんは知りたかったのだろう。
ストーンズ・ファンであり野球ファンのおっさん。最後にもう一度ぐいぐいと手でフェンスを押した後、納得したようにうなずいておっさんは去って行った。そして、7時過ぎ客電が消えて”おおーっっ!!”という歓声とともに音が出たが、ステージにいるのはストーンズではなかった。下調べが出来ていない私は前座があることを知らなかった。いや、私だけでなく私の席の周りでは「誰あれ?」という声がいくつも聞かれた。司会もいないからバンド名もわからない。翌日知ったところではリッチー・コッツエンというアメリカのミュージシャンだった。リッチー・ブラックモアなら知ってるが・・・と言ったら、「古〜ぅ」と周りに馬鹿にされた。リッチー君はギターが上手くて指は私の15倍ほど早く、たぶんキースの5倍ほど早く動くし、3ピースのバンドもなかなかタイトなハードロックで悪くはなかったがストーンズの前座としてはいかがなものか・・・。と、言うより私がブルーズ・パワーで前座に出て歌いたかった。特に気になったのがリッチー君がT-シャツを白いジーンの中に入れるというダサイ・ファッション。顔はイケ面なのだから、T-シャツをジーンの中に入れるのはやめようね、リッチー君。そんなことをブツブツ言いながら、5万いくらの特別席にどんなヤツがいるのかと一緒に行った私のかかりつけの歯医者の先生の双眼鏡を借りて見たりしてるうちに(叶姉妹とかいるんじゃないか・・と言っていたが知ってる有名人はいなかった)、いよいよ8時ストーンズは始まった。
おおっ!のっけに「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」だ。ミック(ジャガー)は実によく声が出ている。日頃の節制とジム通いの成果だろうか?私もジムにでも行かなきゃ・・と思いつつなかなか足が向かない。まあ、ジム・ビームは好きなんだけどね。昔よりやや運動量は減ったものの相変わらずよく動くミック。昔のライヴ・フィルムを観ていて「こいつはきっと落ち着きがないと通知表に書かれた子供だったんだろうな」と、ミックのことを思ったことがある。会場は当然もうめちゃ盛り上がりだ。
ロン・ウッドは何故か顔が鳥のように見える。私はフクロウに似ていると思って見ていたら、途中で片方の足をもう一方の足にからめて一本足で立ってギターを弾いていた。う〜ん、フクロウやなくて、鶴か?ああ、もちろんギターは抜群にいいですよ。スライド・ギターもえがったぁ〜。
大好きなドラムのチャ−リー・ワッツはその姿が大きな画面に出ただけで、もうなんか目がウルウルしてしまってダメだ。彼のドラムはほんとにいい。暖かい、気持ちの大きいドラムだ。病気という話も聞いているが、ずっと最後までパワーが落ちない安定したドラミングはさすがだった。
さあ、キースだ。もう文句なしにかっこいい。ギターも、ステージにいる姿も、そして歌も!ソロで"This Place Is Empty"を歌った時、あの"Come On,Baby.."のひと声だけで卒倒ものだ。媚びなくて、男らしくて、しかも嫌らしくない大人の男の色気があって、しっかりサウンドを作って頼りになって、攻撃的なソロも弾いてくれて、もう申し分なし!
レイ・チャールズの"The Night Time Is The Right Time"をミックとデュエットしたリサのあの声!天国にいるレイに届くような素晴らしい歌声だった。チャック・リ−ヴェルのピアノはストーンズの曲に見事な色付けをしていたし、ボビー・キーズのサックスは粘りのあるいい音していた。もちろん、ダリル・ジョーンズのベースはしっかりとサウンドのボトムで鳴っていた。いいコンサートだった。
中学2年の頃に買ったストーンズのファースト・アルバムのジャケットはすっかり色褪せて私のレコード棚に入っているが、彼等のサウンドはいまも何一つ色褪せていなかった。最後に4人がステージ前で挨拶をした時、涙したストーンズ・ファンはたくさんいたと思う。私もそのひとりだ。彼等がいまもライヴ活動をこうして続けていることが、たくさんの人たち、とくにオジオバに活力を与えている。しかも、新しいアルバムを発表しながらの長い長い歳月だ。どんなに音楽が好きだって、続けるには気力も体力もいる。ずっとそれを続けられるのは音楽だけにすべてを賭けているからだと思う。1曲1曲にメンバー全員が一丸となって向い、エンディングに向ってテンションを最高潮に上げていくスト−ンズのあの大きなひとつのグルーヴ。あれこそユニットではない、「バンド」の至福の時間であり音楽をやる最高の喜びだ。ブルーズのB.B.キングとロックのストーンズにはずっと続けてもらいたい。私は彼らの作った轍を尊敬の念をもって後から歩かせてもらっている。そして、ずっと歩いていたいと思う。

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